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約束と制約・・・2人の一時・・・






「・・・あの場に居なかった者と途中脱落者たちと手を結んでいるようです。」


「・・・最近、復帰した者に“裏切り者”と言い放って襲撃している者もいるわ・・・」


「・・・provvedimentoプロッヴェディメントの必要があるのでは?」


「・・・“あの”計画を完璧にするには、ここはやるしかないな・・・」


心休まる日は遠い、しかし、休まる日に意味はあるのだろうか・・・・・・?







PAS Chapter第2話 故郷での一時






7月15日・・・

なんだかんだで1週間が経過した。

故郷に滞在するようになったとはいえ、自宅へと帰った日は先週の7月8日だけだ。

無論、その理由はロケット団を極秘裏に解体するためである。

マフィア集団を更生して一般人の生活に戻すことは非常に困難で

受け入れ先の説得もあるが、何よりも、団員自身を説得するのが非常に難しい。

仮にも徹底的に悪を植え込まれた人間たちなので、根本からの再教育は時間がかかる

また、その人数も膨大で、四聖獣たちも協力してくれているが一向にその数は減りそうも無い。

それに加えて協会を上手くコントロールするのに無い知恵を働かせなければならない。

これらの苦労が連日続くのだから、気が狂いそうになってもおかしくは無い。

自ら命を絶つことを考えたりしてもおかしくは無い話なのだ・・・。






 久々にポケギアの着信音が鳴らない今日

レッドは自宅のベットで仰向けになって一人、寝転がっていた。

何も無い天井を見つめながら、放心状態で時を過ごす・・・




現在時刻 午前10時。

ただただボーっとしているだけ。瞳も虚ろ。

かれこれ1時間はこの状態が続いている。

今の自分の目的以外にやる気、いや、もっと根本の感情である興味を持てない

生きるために最低限の行動に関しては、流石に興味を持たざるを得ないという状況だ。

しかし、この今の空白の時間も後数時間と続くことは無いだろう。

ポケギアの着信音がしたら、この時も終わりを告げて

また多忙な日々が始まる・・・・・・






「・・・・・・。」


寝転んだままの状態でレッドはボールからピカを呼び出した。

ピカは元気の無い主人に、困ったような表情を浮かべると

レッドの身体の上に乗って、パチパチとその黄色い身体に帯電させ始めた。

いかにも“電撃を加えるぞ!!”と言いたげな表情で見つめてくるので

レッドは観念して、ピカの身体をグローブをしたままの右手で撫でて謝る。


「・・・心配させちまったな、悪ぃ。」


ベットから起き上がりピカを身体から降ろすと、レッドは大きく伸びをした


「久々にトレーニングでもするか!!」


元気よく話したレッドに、“うえ〜”と嫌そうな顔をするピカ


「お前なぁ・・・」


溜め息を一つ吐くと、レッドはピカの頭を少し強めにクシャクシャと撫でた。


「・・・ウォーミングアップしとかないと、今度が辛いぞ・・・・・・。」


声色を変えてピカに語りかける。

その黒い瞳は、本気のバトルをしている時の瞳だった・・・。






 朝食に少しだけ食べた、昨晩買ってきておいたサンドイッチを口に含み

1リットルのパックに少しだけ残っていた牛乳でそれらを流し込む。

汗拭き用のタオルを持ち、腰にボールホルダーを巻き、2つのポケギアを引っ掛ける。

半袖のシャツ、ジーパンとラフな練習着の格好をすると、レッドの顔が少し引き締まったようだ


(そうだ、アイツもしっかりウォーミングアップさせないと・・・・・・。)


一度寝室に戻り、黒いスーツの懐からマスターボールを取り出すと

エアコンの電源を落とし、ボールを手に持って、玄関へと向かった・・・。






シューズを履くと、ドアノブを右手で握る。

ガチャリと音を立てて扉は開く

そして、ドアを押して開けると広がっているのは外の世界・・・・・・かと思った。



「あっ」
「えっ?」



開けて吃驚、ドアの先には、涼しげな白いワンピースを着たイエローの姿と

その足元に頭に花の飾りをしたイエローの手持ちピカチュウ チュチュが居る。

丁度2人の視線はバッチリと合ってしまい、逸らすことができない。






無言の時が流れる・・・・・・






そこへ家の奥から、レッドに遅れてピカがトコトコと駆けてきた。

ピカの姿を見たチュチュは、ピカに向かって一直線に向かうと

鳴き声を上げて思い切りピカに抱きつくようにすがりつく。

ピカもそれを受け入れて、お互いに再会を喜び、そして思い切りじゃれあうと

その姿はまるで恋愛ドラマさながらだ。

しかし、そんな2匹の存在などまったく目に入っていないのか

レッドとイエローはお互いに見つめ合ったままで





2人の間には無言の時が流れ続けている・・・・・・





しばらくの間じゃれあった2匹は、仲良く一緒にトコトコ駆けて各々の主人の元へと戻る

黙って見つめ合った主人を心配して、2匹は足をコツコツと叩いた



「イ、イエロー・・・よお、げ、元気、元気か?」
「は、はい。」



妙にぎくしゃくした2人を、2匹が心配そうに見つめる。



「・・・あ、上がってくか?」
「は、はい!」



明るく返事をしたイエローに、先ほどのやる気をごっそりともっていかれて脱力。

イエローに見えないように後ろを向いて小さく溜め息を吐く。

レッドは後頭部をポリポリと掻きながら、とりあえずイエローを家の中に招き入れると

2匹も2人の後を付いて、トコトコと歩き出した。









マズイ・・・非常にマズイ・・・・・・

こちらに戻ってきて、かれこれ2週間。

確かに自宅に帰ってきたのは今日を含めて3日だけだが、カントーに居なかったわけではない。


忘れていた。


完全に忘れていた。


イエローの顔を見て、目を合わせてはっきりと思い出した


あの日のあの夜の約束のことを・・・



『オレはイエローのことを愛する。お前の力になって、お前を守る存在になる』



やってしまった。多忙すぎて疎かになってしまった。

改めて自分の浅はかさを呪った。


「イエロー、とりあえずその辺に腰掛けてて。 茶でも入れてくるから。」


レッドはイエローを居間へと案内すると、単身台所へと向かい茶を入れる準備をする。


(カップ・・・カップはどこだ?)


自宅の台所でティーカップの場所を探す。

食器棚や食器受けから、調味料置き場、はたまた鍋の中まで・・・

隈なく探してみてもどこにもティーカップはまるで見当たらない。


(どこにしまったっけなぁ・・・)


ガチャガチャと探し回る音を聞きつけて、イエローが台所に姿を現したが

レッドはそれに気づかず、ひたすらカップを探し続けている。

直感的にレッドが何を探しているのか解ったイエローは、食器棚の少し奥の方から

ティーカップを一発で2つ見つけると、どこからともなく紅茶のセットを取り出して

手早く紅茶を入れる準備を整え始めた。


「レッドさん、私が淹れましょうか?」

「えっ?!」


あまりにも手早く、なにより、ティーカップを見つけていることに驚いた。

仮にもここは自分の家。

自分よりも早く見つけ出された挙句、紅茶のセットまで用意して

今すぐにでも紅茶を淹れることができる状態にまでなっている。

この事実は、凄いのか、驚きなのか、怖いのか・・・・・・


「あ、ありがとうな、後はやっておくからいいよ。」
「いえ、せっかくですから私が淹れますよ。」


にっこりと微笑んでいるイエローは、そのまま紅茶の葉をポットに入れようとした。


「いいからいいから。イエローはお客さんなんだから、向こうで座っていてくれよ。」


その言葉にイエローの手が止まった。

確かにイエローの淹れる紅茶は美味しかったような気がする

というよりも、自分が淹れるよりかは間違いなく遥かに美味しいはずだ。

何にせよ、客人に茶を淹れさせるわけにはいかないだろう


「そう、ですか・・・・・・わかりました・・・・・・」


イエローを再び居間へと案内すると、また台所へ戻り

用意されている紅茶のセットで、自分の知識と知能を総動員して紅茶を淹れる。

すると、数分して・・・・・・



「で、できた・・・」



思わず感動の声が出てしまった。

本当に自分がこの紅茶を淹れることができたことに驚きだ。

一応、それっぽい紅茶を完成させると

用意されていたミルクとシュガーをトレイにのせ、イエローが居る居間へと向かった。




 居間では2匹のピカチュウと楽しげに戯れるイエローの姿があった。

だが、その瞳はあまり元気が無いようで、どこか切なげに見える。

自分の家に来たということは、何か用件があってのことだろう。

切なげな瞳の理由も、恐らくその用件が関係しているの違いない。

レッドはトレイからティーカップを持ち上げて、慎重にイエローの前に置くと

イエローの隣・・・ではなく、イエローの対面に自分の分のティーカップを置いた。


「で、今日はどうした?」


レッドはイエローと向かい合わせに座ると、早速話を始める


「オレの所に来たってことは・・・何か悩みでもあるか?」

「・・・あの、その・・・・・・」


イエローの顔がみるみる紅潮していく。



・・・・・・冷房が効いていない。



レッドは立ち上がると、電源を落としたままだったエアコンのスイッチをいれる。

すると、瞬く間に冷たい風が吹いてくる。 しばらくすれば、涼しくなってくるだろう。

再び席について、イエローと向かい合う。

イエローは真っ赤な顔で俯いて、目を合わせようとも、話そうともしてくれない。


これは困った。


少し単刀直入すぎたようだ、ここは・・・そうだ、あの話をしておこう。


「そういえば、イエローだろ・・・家の中掃除してくれたの・・・・・・?」


昨晩気がついたことだが、こういうことを得意にしているのはイエローだったはずだ。

ただ、その動機がまったく理解できない。


「は、はい!!」


肯定の返事をするイエローの顔は、先ほどよりも紅潮しているように思える。



・・・・・・まだ、室内が暑いのだろうか?



「あの・・・迷惑でしたか・・・?」


イエローがもじもじとしながら聞いてくる。

その仕草は、誰がどう見ても愛らしいと答えるだろう。


「いや、凄い嬉しいよ、お礼をしなきゃいけないくらいだし。 たださ・・・」

「ただ?」


ここは、自分も含めて約束、いや、“制約”を確認しておく必要がある。

今後、ちゃんとしていけるように・・・


「イエロー、あの時の“制約”・・・覚えてる、かな?」


イエローはコクリと頷いた。



『ただし・・・、イエローはオレに全く何もしないでくれ。いっそ、今のままで嫌いでいてくれて全然構わない。』

『オレは、この“制約”でイエローに贖罪をしたい。そしてもし“制約”が破られたら、オレは・・・マサラを去るよ。』




「イエローが特別に意識しなくてもしちゃうことも、本当にしなくていいからな。

これからはちゃんとオレも“制約”を守るから、イエローも頼むぞ。」

「は、はい・・・。」



明るく話すレッドに対して少し暗くなるイエロー。

レッドにとってこの“制約”は、イエローにとって大きなプラスになるものだと理解しているからこそ

こうやって明るく話すことができるのである。

何もせずとも、他から優しさ受け取ることができるのだ、こんなおいしい話はそうそう無い。

ただ、難点を挙げるとすれば、その優しさを与える人間が自分であるということで

好きでもない男から優しさを受け取らなくてはならないというところであろうか。

まぁ、イエローに新しく男ができるか、迷惑であるとか言われたら即座に止めなければいけないが・・・



・・・・・・そういえば、イエローの顔の紅潮が引いたってことは、冷房が効いてるな。





「で、今日はどうしたの?」


多少はイエローも話しやすくなったと思い、再び本題に入る。

顔の紅潮も引いているようだし、大丈夫だろう



「・・・何でもないです・・・・・・」



沈んだ声で話すイエロー。

相当な悩みがあるようだが、きっと、自分には話せないような悩みなのだろう。



・・・・・・役に立たないな、オレは・・・。こんなんで“制約”の意味はあるのかな・・・・・・










やはり、イエローは話をしてくれなかった。

イエローにも都合があるし、しょうがないだろう。

またしばらく無言になりながらも、自分の淹れた、あまり美味しくない紅茶を飲む。

しかし、延々と無言でいる訳にはいかないと思って、互いの話せるところまでの近況を話した。

前の仕事を今も続けていること、担当しているおばあさんのことなど・・・

グリーンとのことを話してくれるかと思ったが、そのことについての話はしてくれなかった。

少し揺さぶりをかけてみようかと思ったが、自発的に話すのを待ったほうがいいだろう。

別に気にしているわけではないのだが、変にその部分で負担をかけさせたくはない。


「ふふ」
「へへへっ」


談笑が混じるようになったが、互いの言いたいことの言えないもどかしいような雑談の途中で

2人のカップの中の紅茶が無くなった。

何だかんだで大して美味しくない紅茶も、会話の時間に反比例して減っていく・・・

イエローは自然とレッドのカップと自分のカップをトレイの上に乗せて

紅茶のポットが置いてある台所へと向かおうと、立ち上がった。


「オレがやるからいいよ。」


レッドは立ち上がってイエローからトレイを受け取ろうとすると


「これぐらいは、私がやります」


イエローに微笑みながらそう返された。

そのまま台所へと向かおうとするイエローを、何とか止めようとすると

イエローは少し強情になって、レッドの申し出を断り続ける。

それでも何とか“制約”を守るために、レッドはイエローを止めようとした



「きゃっ・・・!!」



丁度、台所と居間を繋ぐ通路のところで、イエローは足を躓かせた。

両手からトレイが放り出されて、カップと一緒に宙を舞う。


「・・・ッ!!!」



瞬時に腰のボールホルダーからニョロの入ったボールを右手に取る。


その状態でイエローのもとへと駆けつける。


倒れるイエローの身体を自分の身体と左手を上手く使い受け止めると


右手に握られたボールからニョロを呼び出すと、放り出されたカップを両手でダイビングキャッチ。


そして右手でイエローを完全に抱きとめると、ニョロの背中にトレイがのった。


この間わずか2秒。


もはや神業ともいえる領域に到達しているといっても過言ではない。

といっても、レッドはこのレベルでやっていかないと自分の命に関わる世界で

今までの時を送ってきたのだから、これくらいは朝飯前なのかもしれない。

しばらくの間、そのままの状態で時が流れた・・・・・・









3年と7ヶ月間、イエローのことを放っておいた訳だが

なぜこうも変わっていないのだろうか・・・?

成人を迎えているのにもかかわらず、この危なっかしさは本当に焦る

誰かが見守っていないと、何時どうなってしまうのかが解らない。

やはりあの時の自分の選択は正しかったのだ・・・・・・


「大丈夫か?」


ぎゅっとしがみついて、顔を胸に押しつけられているので

もしかしたらどこか頭でも打ったのかと思い、心配になってイエローに話しかけてみる。


「・・・大丈夫です。」


心なしか嬉しそうな声が聞こえる。

やはり、どこかに頭をぶつけたのだろうか?

とにかく心配になって、イエローの顔を自分のほうに向かせる


「へへ・・・ありがとうございます。」


改めて至近距離で見つめられると、そのかわいさに動揺してしまう。

先ほどイエロー変わっていないと思ったが前言撤回。

イエローは格段とかわいく、そして美しく、キレイになっている。


「き、気をつけろよ・・・」


動揺してしまう自分が情けない

だが、世の中の男性ならばこの状況、動揺しないほうがおかしいと思う。

自分の腕の中にものすごいキレイでかわいい子がいて

その顔は自分の顔と目と鼻の先の距離なのだ。

シャンプーの甘い香りがキレイな金髪から香って鼻を撫でる

そしてイエローは満面の笑みをこちらに向けた。

そのまぶしさに直視できない・・・・・・





イエローには力がある。

“癒す者”としての力、そして、人の心をも癒す力

自分に至っては瀕死の状態から蘇生させられたほどだ。

その力の持ち主をオレは守らなくてはいけないと思っていた・・・

でもそれは大きな勘違いだったようだ。

今こうして自分の傍で笑顔をくれる彼女は



・・・・・・強い。

今の自分よりも遥かに強い

きっと、オレの力が無くてもこれからは大丈夫だと確信できる

いつか、いや、今すぐにでもその強さに縋りたい時が来てしまうかもしれない・・・・・・








闇の中に一滴の雫が落ちて、波紋を作った








何か大切な言葉を忘れていたような気がする。

今の自分がどういうふうにあるべきかを説かれた言葉・・・・・・



(なんだ・・・なんだろう・・・・・・)



深い深い闇の中に手を突っ込んで、手探りでその言葉を探そうとするも

気が狂いそうな、自分を見失うほどの闇の中から

捨て去ろうと決めた思い出や記憶は見つけることができない。












ピリリリ、ピリリリ












抱き合う2人の時を引き裂くポケギアの着信音。


「悪い、ちょっと待って。」


レッドはイエローに回していた両腕を開放すると、腰にぶら下げたままであった

ポケギアをもっていそいそと部屋から退出した。その際、

台所で寝転んだままのニョロのことをイエローに頼んで・・・


「連中が再びやらかした模様です・・・・・・」


ポケギアから聞こえてきた声を聞いて、レッドは部屋だけでなく家からも出た。


「被害は?」


先ほどイエローと話していたときとはまったく違う声色。

威厳と気迫がある声で、少々怖い感じも否めない。


「重症1名 軽症2名・・・です。場所はハナダシティ郊外。」

「解った、早急に向かう。」


レッドは通信を終えると、即座にある人物たちに連絡をつける。



「これより、例の計画と掃討作戦を複合して行う。」



レッドは一度ポケギアの画面を見て、時間を確認する。

現在時刻、正午10分前・・・・・・



「ハナダシティ郊外に1400イチヨンマルマルに集合。その際、フルメンバーを持参しろ。以上だ」






通信を終了すると、レッドは急いで自宅へと戻る。

居間ではイエローとニョロ、ピカとチュチュが仲良く戯れている。


「ごめん、イエロー。 急用ができたからこれからちょっと出かけなきゃいけないんだ・・・

で、悪いけど・・・帰ってくれるかな?」


すこし大げさとも思えるくらいに申し訳なさそうにして頭を下げて話すレッド。


「・・・あの、いつ帰ってくるんですか・・・・・・?」

「そうだな・・・帰ってこれたら帰ってくるよ」


笑いながら話すレッドに対照的に、とてつもなく不安そうな顔をするイエロー


「・・・じゃ、じゃあ、あの、ポケギアの番号、教えてください・・・!!」

「オレのポケギアの番号? そんなもん知ってどうするの??」

「じゃあ、私のポケギアの番号教えますから、連絡ください!」


必死に頼み込むイエローの心理がよく解らない。

何にせよ、今は時間が無いのでこの場は何とかしのぐしかない


「次・・・次に帰ってきたときにまた・・・な・・・・・・

イエローがちゃんと“制約”を守ってくれれば大丈夫だから。」


イエローの頭をグローブの右手で撫でてあげると、レッドは半ば無理強引にイエローを帰らせた。






ピカとニョロをボールに戻すと、レッドは寝室に戻り着替えを始める。


(ウォーミングアップすらできなかったな・・・)


そう思いながらレッドが袖を通していくのは、黒地のスーツ・・・・・・。

このスーツを身にまとった時点で、レッドではなくブラックとなる。


「さて・・・とりあえず、終わらせよう・・・・・・」


寝室で独り言をポツリと呟いた。










数分後にマサラをプテラの翼で飛び立った黒い姿の青年

自宅を訪ねてきた女性の心など知らず

青年は戦場へ向かう・・・・・・

戦場で待ち受ける過酷な現実。

だが、その厳しく辛い現実と戦いが、青年にとって心休まる時なのかもしれない・・・・・・









第3話へ・・・