AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する



“ウェポン”無しでも高い実力・・・・・・苦戦するグリーンとブルーの元へ、青年が降り立つ・・・・・・



ディフェンシブなポケモンで戦闘を仕掛ける2人の騎士、ブラウンとキミドリ。

堅牢な守りの攻略に手間取る、グリーンとブルー。

じわじわとカウンター戦法で相手の力を奪い続ける2人の騎士・・・

追い詰められていくグリーンとブルーはマサラを守ることができるのか・・・?




その時、上空から黒い疾風が下降気流となって、戦場に降り立った・・・・・・

















 PAS Chapter3 第14話(後編) もう一度、仲間として



















 グリーンとブルー、お互いに先手を取られての不利な戦況。

バトルに限らず、先手を取られると心理的に優位に立たれてしまい焦りが生じ始める。

ブルーはぷりりをボールに戻して、ニドリーナのニドちゃんで応戦を開始する。

グリーンも一度、ハッサムをボールに戻してゴルダックで応戦する。

しかしどちらも、決定的なダメージを与えるチャンスには恵まれない。とにかく、相手の攻撃を捌きながら策練るという防戦一方の展開となった。

そうなる内に、自然と二人の距離は詰まり、グリーンとブルーの距離は手が繋げてしまうほどの距離にまで追い詰められた。



(・・・ブルー・・・“アレ”をやってみるか?)
(まだ、早いんじゃないかしら・・・切り札を切るのはもう少し待っときましょ。)



ゴルダックとニドちゃんは、既に体力の限界まで中程度を切っており
あまり長く、この状態をキープし続けることは難しくなってきている。



(・・・・それまで、持ったらな。)
(ホントね・・・)



目で会話する二人。前以上に進んだ仲になったと言う事が解るが、別にそうだからといって現状を打破できるわけではない。

迫る堅牢なブラウンのアーマルドと、こちらもある意味堅牢な守りのキミドリのヌケニン。

決定的な一撃を与える術は有るにはあるのだが、それを仕掛けるタイミングではない。

なぜなら、相手のポケモンはまだ一匹目、もしくは無傷の一匹目と交代しての2匹目なのだ・・・

ゴルダックとニドちゃんの攻撃にも、徐々に威力が無くなり始め、捌いてはいるが、その都度軽度のタメージを負い続けている・・・





((・・・万事休す・・・・・・??!))





攻撃の飛び交う戦場で、この二人がここまで追い詰められてしまった・・・・・・!!!



















(・・・一掃する!!!)


ブラックは攻撃と攻撃が飛び交う危険な戦場のど真ん中目掛けて、上空5メートルくらいから、プテと共に勢いよく地面に着地した。





ドンッ!!!





着地と同時に両膝をタイミングよく曲げ、そしてその次に腰を曲げる。

こうすることによって着地の衝撃を足首や膝だけに掛からないようにするのである。

ただし、注意していただきたいが、上空5メートルからの着地というのは、非常に危険である。

身体を鍛えており、尚且つ、こういった経験が何度もある。そして、着地した場所が地面・・即ち、大地であったから可能なことであり

普通の人間がやろうものなら、足首の骨折、下手に膝を曲げてしまうと半月板の損傷等の大怪我となるのでご注意いただきたい。

そう滅多に、5メートル地点からのジャンプ、着地などという場面やチャンスには恵まれないと思うが

もしもそういう機会があったとしても、絶対にマネだけはしないでいただきたい。

さて、そんな危険を伴う着地、そして登場。これだけ苦労しての登場には無論、意味がある。

目の前に突然の登場、この強烈なインパクト。これは間違いなく戦場の時を止めることができる。

そしてそれは・・・・・・不意打ちをも可能にする。








「“
げんしのちから”」








ボソリと一言呟くと、上空での状態と同じようにブラックの背にいるプテは

己の遺伝子に刻まれた太古のエネルギーを解き放ち、ブラウンとキミドリ、そしてそのポケモンたちをまとめて吹き飛ばした。

攻撃を受けたヌケニンはそのまま戦闘不能に、そしてあのアーマルドにも確実にダメージを与えることに成功した。

意表を突く攻撃というのは、相手の身体自体の防御能力は無効化できないが、意識的な防御を無効化できるためにその威力は絶大である。

よく、暗殺者や闇の世界で生きているような人間が、相手の背後に忍び寄って首(延髄)に手刀の強烈な一撃を加えて

ストンと相手を気絶させるのはこの原理を利用したものである。 意識的な防御ができない状態で攻撃を受けるというのは非常に危険である。

ブラックは体勢を直して、ブラウンとキミドリを睨んだままの状態で、後ろの2人と話す。



「後はオレが何とかする。だから、今はどこかに行ってくれ・・・頼む・・・・・・。」



どこか切なげだが、はっきりと伝わってくる覚悟。 かっこつけといった生半可な気持ちではないことがひしひしと伝わってくる。

ブラックの肩を掴んでいたプテが、それを離してブラックの前にバサバサと移動する。


「・・・来たか・・・不意打ちとはやってくれるのぉ・・・」
「アイタタタタ・・・何するんですか、もぅ〜やめてくださいよぉ。黒い太陽さん。」


確かにプテの攻撃は直撃していたのだが、予想以上にしぶとい。特にブラウンはかなりの高齢のはずなのによく立ち上がってくる。

トレーナーが立ち上がると、それと一緒にブラウンのアーマルドは立ち上がってきた。



「あ、私が手間隙かけて作った“すーぱーでぃふぇんすヌケニン”が戦闘不能になってるじゃないですか・・・。」



キミドリは戦闘不能になったヌケニンをボールへと回収すると、再びボールからテッカニンを呼び出した。




「“
かげぶんしん”と【かそく】効果での“バトンタッチ”・・・めんどくさいんだぞ!」
「あー、そういうことだったの。成程ねぇ・・・・・・。」


「ブルー、もうコイツの相手はしなくていい。」




ブラックはブルーの方を向くことなく、静かにブルーに言い聞かせるように言った。




「タイミングさえ掴めれば・・・あの堅牢な装甲を貫けるか・・・・・・。」
「カカカッ・・・そう簡単に出来る訳が無いだろう。」



「グリーン、コイツの始末もオレがつけるから、頼むからこの場は任せてくれ。」




ブルーの時と同じように、言い聞かせるようにグリーンに言った。



「まぁ、黒い太陽さんから出てきてれたなら、もうこの二人には用は無いですよね?」
「確かに・・・無駄な戦いは避けたいところじゃ。いくらこの男でも、騎士2人分の戦闘力はないだろうて。」


「それは試してみなきゃ解らないぞ? 悪いが、オレはお前たちが見つけたものの通り、12人分の力を持っているつもりだぜ?」



若干の笑いを浮かべながらの非常に高圧的な表情で、ブラックはブラウンとキミドリを威圧する。

どこか、あの男のような表情になっている気がする。 ・・・別に血のつながりは無いのだが、流石、見込まれた男であると言える。



「開き直りか。たちの悪い・・・。」
「えっ・・・? 開いて直ったら、元に戻ってますよね??」

「少し黙っておれ、キミドリ。話がややこしくなる。」



本当に不思議そうな顔をするキミドリと困惑気味のブラウン。

そして、黙ってそれを見つめるブラックとグリーン。そして、(こんなアホな子に・・・)とがっかりするブルー。





微妙な時が流れる・・・・・・。














「・・・とにかく、コイツらには関係無いだろ? オレだけを狙え。この町もコイツらも関係ないはずだ。」

今まで以上にブラウンとキミドリを睨むブラック。それに対する返答を言おうとしてブラウンが口を開こうとした時であった。


「あら、関係は有るでしょ。」
「・・・そうだな。」


予想していたほうとは違う方向から声がしたので、ブラックはガクリと力が抜けてしまった。



「お前たちが、どこまでオレの事情を知っているのかは知らないけど・・・・・・」



ブラックは騎士2人に続けて睨みを効かせながらで、表情を変化させていないが、確実にその声の調子は変わっていた。



「これは、オレの問題なんだ・・・お前たちには関係ない・・・。」



ブラックの切ない声が、グリーンとブルーの2人に、その感情と一緒に間違いなく伝わっていた・・・。



「・・・でもね、アンタの問題はアタシたちの問題でも有るの。」
「・・・仲間・・・だろ?」



後ろの2人の言葉に、ブラックは寒気を覚えるほどの衝撃を受けた。

しかしそれでも、ブラックは執拗に拒み続けるのだ。己の闇がもたらしたものに、大切な存在を傷つけさせたくは無いのだ。





「それでも・・・ダメだ!! 絶対にお前たちは巻き込めない!!!」





ブラックは力強く否定した。自分自身に、一瞬芽生えてしまった感情をも否定するために。



「もう一度言ってやる。いや、何度でも言うさ・・・お前とコイツらがどういう事情かは知らないが、

それでも俺たちは力を貸す。お前の問題は俺たちの問題。俺たちの問題はお前の問題。

それが・・・“仲間”・・・・だろ?」



はっきりと、こちらに顔を向けないブラックにこの思いが届くように、しっかりと自分と、そして他の仲間たちの思いを伝える。

この思いは、ずいぶんと前からの思いであり、考えなのだ。

今一度、この、レッドという男と向かい合うために・・・・・・。







「・・・・・・仲間・・・・・・?」


静かにブラックは、グリーンが言った言葉を呟いていた。

この言葉・・・自分自身が受けていい言葉のだろうか? どれだけ自分がコイツらに迷惑をかけてきたのだろうか?

それを差し引いたら、もう、仲間と呼べるような仲ではないはずなのに・・・・・・


「そんなことが解らないほど、お前が馬鹿だとは俺は思っていないぞ。」
「数少ない・・・いや、たった一人の恋人の親友を見捨てる程、アタシは悪女じゃなくってよ?」

「・・・おいっ。」


2人の言葉を聞く。すると自然と両手は握りこぶしだ。


「アンタの事情はこのバトルが終わったら聞くわ・・・。アンタの問題、一緒に解決してあげるわ。」
「・・・それに、売られたバトルは買う性分でな。」


故郷の温かさに触れた、仲間の温かさに触れた・・・この時、あの荒んでいたブラックの心に温かい光が差し込み始めたのである。




「・・・ったく・・・・・・勝手にしろ。」




感情を隠すために、ぶっきらぼうにブラックは言葉を吐いた。

うっすらとだが気づき始めたのだ。孤独な戦場以外にも、自分自身の居場所が有るのかもしれないと・・・。



「言われなくてもそのつもりよ・・・ただし、後でご飯奢ってね・・・デートの途中だったんだから。」

「・・・ッ!!・・・そうだったのか。」



驚くグリーン。明らかに、先程と空気が変わっているのが解る。

ブラックは握りこぶしを一度解くと、しばらくの間をおいて、もっとしっかりとした握りこぶしを作った。







「・・・ヘヘヘ・・・ヘヘヘヘヘヘ・・・・・・」







ブラックはまるで、気でも狂ったかのようなおかしな笑いかたをした。

その笑い声に、ブラウンとキミドリ、そして彼らのポケモンたちも反射的に身構えてしまった。

それだけ無意識のうちに、凄まじきプレッシャーを騎士たちだけに与えていたのである。



「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうぜ!!」



奇妙な笑いをピタリと止めて、ブラックはピシッとしたしまった声で話した。



「オッケーよ。」
「・・・その前に、あそこのデカブツがさっきからお前をご指名だ・・・。」



グリーンがそういってちらりと、後ろを振り向いた。

そこには、かなり大柄な男 円卓の騎士 鋼鉄のグレイが立っていた。こうしてみると、身長は2メートル近いのだろうか。



「ああ、解ってるよ・・・・・・」



ブラックは別にそれを確認するわけではなく、言葉だけで返事をした。

既にその気配、存在は感じ取っていたようである。






「じゃあ・・・・・・いくぞ!!!」






最高に活気有る一言が、あのブラックの口から聞こえた。




いや、彼は今、もしかしたら・・・レッドなのかもしれない・・・・・・。







グリーンとブルーは思い思いの笑みを浮かべると、それぞれの敵に向かって戦闘体勢をとった。

ブラックはそのまま、後ろにいるグレイの元へとプテと共に駆けていった。




「ありがとな。」




すれ違う一瞬、ブラックは優しくその言葉を。呟いた

その言葉をしっかりと聞いた2人は、一気に活気と戦闘意欲を取り戻した。


「敵は・・・」
「かわらず・・・よね?」


結局、先程の形式のままで続行されることになったバトル。

グリーンとブラウン、ブルーとキミドリ、そしてブラックとグレイ。

だが、先程と明らかに何かが違う。“戦場の統制者”の登場は、不利の空気を跳ね飛ばして

心理的な優位をお互いにプラスマイナスゼロに戻した。

要するに、バトルは仕切りなおしと同等の状態に戻ったようだ・・・・・・






「力量の違い・・・その身で感じ取るがいい・・・・カカカッ・・・・・・。」





ブラウンのこの言葉が意味すること。


無論、それは“ウェポン”解禁を意味していた・・・・・・。
















(退屈だなぁ〜・・・まだかなぁ・・・・。)


三白眼の女、円卓の騎士 博愛のピンク。

彼女はレッドの家のドアに寄りかかると、小さめの黒目を上に向けてのほほんと晩秋の空を一人眺めていた・・・・・・。







3人の“ウェポン”使いの騎士たちがその力を揮う。

そしていよいよ、“ウェポン”による短期決戦を企み始めた・・・。

それに対して故郷の親友であり仲間たちが立ち上がった。

一人、何かを待ち続けるピンク。“最強の万が一の保険”を呼びにいったベージュとセピア。

そして、バクフーンの背に乗ってマサラを目指す若い旅人。








青年の故郷で繰り広げられる、壮絶な戦いはまだ始まったばかりである・・・・・・。













第15話(前編)へ・・・