AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する



それぞれの動きを見せる4人・・・・・・そして・・・・・・







PAS(yellow side) Phase.2 それぞれの1日 −明けない朝のハジマリ−










 トキワにやってきた朝は、太陽が昇るだけの朝だ。

明けない心、太陽の光は心の闇を払うことは出来なかった・・・・・・・







 ブルーはイエローの為に、イエロー宅の冷蔵庫を簡単に見て、適当な朝食を作ると

泣き疲れて眠っているイエローの頭を撫でて、大学へと向かう。



そのころマサラでは、グリーンがベッドから起き上がり普段通りの行動をとる。

洗顔、着替え、朝食準備、ジムへ行く準備・・・・・・

ごく一般的な慌しい朝の風景だ。








そして、2人はいつもの日常を送り始めた。












 ブルーが大学に行ってから1時間後、イエローは自分のベッドから起き上がった。

頭はボーっとするし、目の周りが痛い。布団もかなり湿っている。

昨晩、自分の意識が遠のくまで泣いていた証拠である。 その証拠を見ると、再び涙が溢れそうになった。





なんとか涙をこらえると、着替えて洗顔と、いつもの朝の行動をとり始める。

ふと。テーブルの上においてあったラップをしてある皿と器に目がいった

そこには、まだ多少温かい味噌汁と、ご飯、ハムエッグと定番の朝食メニューがあった。

すぐにそれがブルーが作ったものだとわかると、ブルーに心から感謝した。

自分に涙を流す場所を提供してくれ、こんな温かいご飯まで用意してくれて・・・・・・

イエローはブルーの優しさに感動して涙が溢れた。





しばらくして、せっかく作ってもらった朝食を食べないわけにはいかないと思い

イエローは食卓についてラップを外すと、料理に箸をつけて、口へと運んだ・・・

いつもどおりゆっくりと噛んだ。



だが、何度噛んでも食物はのどを通ろうとしない。



身体が食物を受け付けよとしない、食欲が無いのだ

瞳から自然と涙が溢れ出すと、イエローは噛むことをやめていた・・・・・・




結局、朝食は食べることが出来なかった。




しかし、人として生活していくにはただ毎日をのほほんと暮らすわけにはいかない。

イエローにも家政婦という仕事があり、働かなければならない。

今日はブルーが朝から大学にいくように、今日は運悪く平日なのだ。泣いて無気力に過ごす訳にはいかない。

イエローは何とか仕事の支度を済ませると、トボトボと歩いて職場へと向かっていった。







 義姉の頼みを聞いて、レッドの行方を追うシルバー。

その行動は今日の朝から始まっており、今はなんとレッドの家にいる。

完璧に戸締りされているかに見えた家だったが、ふと見ると、窓ガラスの一部が綺麗に割られており

鍵を外から操作できるように割られていた。 その手口から、直感的に泥棒の類だと思ったシルバーだが

そこはあえて無視して、内部に侵入する術を作っておいてくれたので感謝の感情を抱いていた。

窓の鍵を開けて内部に侵入するシルバー。 まず彼は、手がかりになりそうなものを探す。





こういう場合何を見つけるのが一番有効かというと、通信の跡を探すのが非情に効率的である。

最後に通信していた場所、よく通信していた場所、またはされていた場所等だ。

そういったものを探しているうちに、まず目に入ってきたのは、通信端末の代表的存在パソコン。

シルバーはパソコンの電源をつけると、起動するのを待つ。ちょうど、パソコンはデスクトップ型だったので

机の上にあり、椅子が準備されている。シルバーは起動が終了するまでその椅子に腰掛けた。


「・・・・・・ん?」


ふと、足元に何かの破片のようなものを見つけて拾い上げてみる。

それはどうやらディスクのようで、裏面を見ると、情報が書き込まれていた形跡があるのが分かる。

シルバーはその破片を机の上に乗せると、さらに足元を探る。

すると、大きな破片が2枚落ちておりそれらをつなぎ合わせてみると一枚のディスクになることが分かった。

通常、こういったものが割られることはそうめったに無い。 単純に必要が無かったら、記憶面に傷をつけて捨てればいいことだ。

明らかに不自然な割られたディスク。シルバーはあらかた破片を拾い集めると、それをその辺にあったビニール袋にまとめておいた。





起動されたパソコンを調べてみても、何ら怪しげなものは発見されない。

通信記録を見てみると、最も多い通信相手はイエローであり、次がブルー、そしてグリーンとなっていた。

パソコンには大した情報が無いと見たシルバーは、次に、もう一つの代表的通信端末を探す。

ブルーの話から推測するに、レッドの場所を知ることが出来ないということは

ポケギアが繋がらない、もしくは所持していないということを意味しているはずである。

所持していないという可能性は限りなく低いが、シルバーはレッドの家を捜索し始めた・・・・・・








 時は流れて、時刻は正午。



大学の研究室でコンビニで購入したサンドイッチと紅茶で昼食を摂るブルー。

グリーンも同じようにジム内で昼食を摂る。

シルバーは割られたディスクの破片を回収するとレッドの自宅から姿を消していた。











 「・・・・・・」

午前の仕事を終えて一息つくイエロー。しかし、その表情は暗い。

仕事にプライベートを引きずらないようにしてきたが、今回ばかりはそうはいきそうも無い。

実際、今日の仕事中、ボーっとしていることが多く、皿を何枚も割ったり、塩と砂糖を間違えたり、洗っていない洗濯物を干したりと

今まで、仕事ではしたことがない最悪なミスをしてしまっている。


(・・・・・・レッドさん・・・・・・どうして・・・・・・)


自然と溢れ出してくる涙を袖で拭う。しかし、拭っても拭っても涙は止まらない。

その様子を見てしまった、雇い主のおばあさんは心配になってイエローに優しく声を掛ける


「イエローちゃん・・・・・・? どうしたんだい・・・??」


いつも元気なイエローを知っている雇い主のおばあさんにとって、この元気の無いイエローを見るのは嫌だった。

健気で優しくて、元気で可愛くて、その笑顔に何回癒されてきたことだろうか・・・?

若さの塊のような女の子だったのに、何故こんな悲しんでいるのとても気になった。


「・・・レッドさんが・・・ほかに・・・好きな人が・・・できたって・・・・・・」


嗚咽交じりで話すイエローを、慰めるようにおばあさんは頭を撫で続けた・・・。


「大変だったねぇ・・・・・」


おばあさんはイエローを慰め続けるが、少し気になったことがあった。

前々からこのおばあさんの家で家政婦として働いていたイエロー。おばあさんは数年前に夫を亡くしてそれから一人暮らしをしている。

このおばあさんとイエローとはもう既に1年近い関係になるので、その間にお互いのことを話したり、相談したりしていた。

その中で、イエローの口からよく出てくるある一人の人物。 それがレッドだ。



「・・・その時もレッドさんは私のことを助けてくれて、飛んでくるピジョットを軽々捌いちゃうんですよ・・・」



「・・・私とレッドさんとの出会いは、トキワの森でポケモンに襲われたところを助けてもらったのがきっかけなんです・・・」



「・・・それまで麦藁帽子をかぶっていて、レッドさんに自分の性別を隠していたんですけど・・・」



「・・・体調が万全じゃないのに、トキワシティのジムリーダー試験を受けた時も・・・」



イエローが今まで自分に話してくれた話を総合して考えても、なかなか、そういうことをする男とは思えない。

しかも、何度かレッドを見たことがあるおばあさんは、レッドの行動を見てどういう人格を持った人間かはある程度把握している。

いろいろ疑問が多かったが、おばあさんはイエローにある提案をした。


「そうだ、イエローちゃん。 レッドくんのことを考えて辛くなっちゃうのだったら、お家にある思い出の品を処分してごらん。」

「・・・・・・」


とりあえずイエローはその言葉をしっかりと胸に刻み込むと、また、涙を流し始めた・・・・・・。












 時は流れ、夕方を過ぎて夜の闇に包まれだす頃・・・・・・








イエローの家では、夕方頃にイエローが帰宅してからなにやら大きい物音がしている。

どうやら何かを動かしたり、何かをまとめたりしているようだ。

あらかた思い出の品といえるもの全てをまとめてみる。

写真、プレゼントされたもの、ペアになっているもの等、その中にはあの麦藁帽子もあった。

どれも見て、触ってみると、その時レッドとどんなことをして、どんなことを話しあい、笑いあい、怒りあい、悲しみあったか、全てのことがわかる。



「レッドさん・・・・・・」



それが分かると、また喪失感からくる悲しみが襲ってきた。イエローは麦藁帽子を抱きしめると、その場で涙を流し始めた。


(もう少しだけ、もう少しだけ、一緒に・・・・・・)


まだ、イエローがレッドのことを乗り越えていくにはまだ時間が掛かりそうだ・・・・・・。










ブルーに変わり、イエローの様子を見に来ていたグリーン。

泣いている声が聞こえてきたので、ノックをして呼び出すのをやめて、窓からイエローを覗いて見守っていた。

その姿を見ると、昨日の自分の選択に後悔したが、それ以前に、イエローを悲しませて、涙を流させている現実が辛かった。

グリーンはこれ以上このイエローの様子を見ることが出来なかったので、静かにその場を去った。








ブルーは、大学から自宅へと帰宅してからそれなりに自分の時間を過ごしていた。

その時間の中でグリーンから今日のイエローの様子を聞いたり、シルバーに今の状況を聞いたり

グリーンに聞いたイエローの状況で、イエローを慰める言葉を考えて、イエローに元気付ける電話をしたり・・・・・・

率先してイエローの為に動くブルー。 それは彼女の面倒見のよさがそうさせるのだろう。








回収した割れたディスク。ブルーの指示があってとある研究機関へと調査を依頼することになった。

割れたディスクを復元してその情報を引き出すという、特殊な技術を用いるためだ。

(この研究所を利用するコネは、シルバーが持っていた訳ではなく、無論ブルーのコネである。)

シルバーはその話を聞くと、即座にその研究機関に出向いていった・・・・・・。











 「これが、依頼品だ・・・・・・」

「わかった。ブルーさんに例の話をよろしく頼むって言っておいてくれ」

「例の話・・・?」

「ん、・・・ああ、こんど一緒に食・・・・なんでもない。」

シルバーの顔色がみるみる変化していったので、その話を止める研究員。

研究員はその割れたディスクを見ると、紙とペンを取り出してなにやら計算を始めた・・・・・・





「だいたい、1ヵ月後には推測のデータが完成すると思うから、その時に取りに来てくれ」





「1ヶ月後・・・・・・」


シルバーはボソリと呟くと、とりあえず頭を下げてそれをお願いした。

そして研究所の帰り道、そのことをブルーにポケギアで報告するシルバーの姿があった・・・・・・。









1ヶ月後・・・・・・

傷心した女、後ろめたい思いの中にある男、面倒見のよい女、義姉を一途に慕う男

この4人の思いが、いよいよ交わり始める・・・。










4人の物語は、1ヵ月後のイエローの家から始まった・・・・・・
















Phase.3へ・・・