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 黒き力に屈してから2ヶ月が過ぎ・・・、過酷な現実、そしてメッセージ・・・




 あの後、救助に来たポケモンセンターの人たちによって介抱された一行は、一度マサラに戻った。

ロケット団の首領となったレッド、その事実から受ける混乱、困惑、葛藤・・・。

 あの一件以来2ヶ月が過ぎた・・・。 








 PAS 第7話 ココロ、キモチ、オモイ。








        握り締められた拳




 信じてきた者に裏切られること。 草原で立ち尽くす一人の青年。

最後まで信じ続けた。 しかし、尊敬する先輩は見事に裏切ってくれた。

彼のココロに溢れる感情・・・怒り。

信頼するものに裏切られる怒りか、はたまた止められなかった、守れなかった自分への怒りか・・・。

彼は、右手でビリヤードのキューを握り締める、そして思い詰めたかのように俯く。

左手は硬く握り締められ少し震えている・・・。

彼は、真剣な表情で俯いていた顔を上に上げる。

空を見上げる、雲ひとつ無い快晴。 まるで彼のココロのようだ・・・。






(すべきこと、道は一つ。 迷うことは無い先輩を・・・倒す!!)










        研ぎ澄まされる瞳





 (アイツのことだ・・・裏があるわね・・・) 





自宅でレッドの資料をパソコンで見ながら考える女性。




(イエローが見たって言うレッドの行動から推測しても・・・、十分裏があるといっても過言じゃない・・・)




青い瞳を輝かせ彼女は考える。




(アイツの今の実力で行動を起こされたら止めようが無い・・・、手を打たないと・・・)




ブラックのコーヒーを飲みながら、マウスを動かす。




(バッジ・・・ロケット団・・・24個・・・そしてアイツ・・・)




いくつかのキーワードから一本の道を作り出す。 その行き着いた結論を考えると彼女の表情は変わる。




(推測が外れてなければ・・・、ちょっとヤバイことが起こるかもね・・・)




髪をかき上げると彼女の青い瞳にがぜん力がこもる。






(やってやろうじゃない、それがワタシのやり方。 レッド・・・止めてあげるわ・・・)









        困惑する思考
 


 進むべき道を定められず、戸惑いつづけるココロが一つ・・・。 




(レッド先輩・・・一体何が、どうなっているんですか??)




水晶のような澄んだ瞳をした女性が一人、 自宅でのんびり療養中だ。

このごろの彼女は仕事である捕獲も手につかないほど困惑している。

一応彼氏である金色の瞳で黒髪の少年はトレーニングをしたり、思い詰めたりと

なかなか会話する機会がこの2ヶ月間なかった。 彼女の中に存在する迷いを

誰にも打ち明けられず彼女は戸惑い続ける・・・・・・。

レッドは敵なのか、裏があるのか? 何故バッジに固執するのか?

 謎は何一つ解決できない。





(今の私には、何がどうなのか判断できない・・・。 まだ確定したわけではないから・・・。


 今は、今だけは皆さんの意見を待ちます・・・)









            鋭き瞳





 (・・・・・・誰が何を言おうと俺は・・・・敵としてアイツを・・・この手で・・・)





トキワのジムで気迫のこもったバトルをしているジムリーダーが一人。

先日、イエローから語られたレッドの行動。 自分の手持ちポケモンが受けたレッドからの愛情。





(・・・・・・雑念を捨てろ・・・今のアイツは誰がなんと言おうと・・・敵・・・)





「サイドン、“
つのでつく”!!」

炸裂する技に挑戦者のポケモンは戦闘不能になる・・・。

「ま、まいりました〜!」

挑戦者はそのままジムを後にする・・・。

 挑戦者が居なくなり、一人きりとなったジムで青年はジムの壁を自らの拳で強打する。

ドンッ!! と鈍い音が青年一人きりのジムに響き渡る・・・。




(敵・・・、敵なんだ・・・割り切れ・・・敵なんだ・・・)




ココロのなかで渦巻く葛藤、ジレンマ・・・。


レッドは親友?敵? 裏がある?演技? 真実は未だ見えず・・・。




(・・・この葛藤が晴れぬ限り俺は、アイツには勝てないな・・・・・・。)











        なびく髪





 (ロケット団が絡んでいる以上・・・おそらく・・・父さんが絡んでいる・・・。)




どこか、人が居ない孤島で一人感慨にふける青年が一人・・・。




(あの、赤い瞳の男・・・相当な「てだれ」とねえさんから聞いてはいる・・・。

リーグ優勝、カントー、スオウ島、ジョウト、ナナシマ何れでもかなりの活躍だ・・・。

父さんが絡んでいる以上、ただ事じゃ収まらないだろう・・・)




少年は立ち上がるとボールからヤミカラスを出す。

「ヤミカラス、ねえさんのところまで頼む。」

青年はヤミカラスにつかまるとカントー方面へ向かう。


正面から風を受け、青年の赤い髪はなびく・・・。

「何があろうとも、それを受け止め最良へ導く・・・。」

一人、そう呟くと銀色の瞳を輝かせた。









 
        信じ続けるココロ





 (・・・信じます、・・・信じ続けます。)





金髪の女性が一人、目を瞑り祈りをささげる。

ささげる対象はトキワの森一の大木。

この森から力、仲間、そして最愛の人との出会いをもらい今の彼女があるのだ。

そんな彼女だからこそ森に助けを請うのだろう。




(・・・きっと何かあるんです。 何の考えもなくロケット団を再興させたりしないはず・・・)




先日の一件後、彼女はトキワの力を使いグリーンのハッサムと「通心」した。

「通心」したきっかけはハッサムからだった・・・。

ハッサムは自ら彼女との面会を主人に求め、自ら自分が受けたことを伝えたのだ。






(レッドはまだレッドのままだ・・・。アイツは変わっちゃいない・・・、なぜなら・・・)






 あの一瞬、そうギラン(シロガネ山の主のバンギラス)から放たれた“はかいこうせん”は

技自体が直撃したわけでなく、大地に直撃した際の衝撃で皆吹き飛ばされたのだ。

そう、もとよりレッドは攻撃の対象として一行を狙ったわけでなく、「威嚇」としてはなったのだ。

そして何よりも、攻撃後に見せたレッドのやりきれない表情、涙。

 その一部始終を見ていたハッサムは彼女に伝えた・・・。

今、このことを知っているのはカントーの者たちだけである。

「・・・・・・余計な話をすればいざという時アイツを止められなくなる・・・。」

グリーンの意見でジョウトの者たちにはこの話は伝えなかった。

 イエローはトキワの力を使ってポケモンたちと「通心」すると、映像として自分に伝わってくる。

映像に映るレッドはとても悲しそうで、まるで助けを求めているようだった。





(レッドさん・・・信じていますから・・・、アナタの本心でないことを・・・


涙が、本物であることを・・・)






また彼女は大木に祈りをささげる・・・。









 第8話へ・・・