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様々な思いが交錯する中で・・・。激突する力と力!






究極の奇跡に導かれ、青年は舞い降りた。

大切な存在を守るために・・・・・・。

激突する魔獣と魔神、そして仲間達・・・。

今、全てのカードが場に揃った。

さぁ、始めよう・・・。

夕焼けの中で、総力を持って決する時がきた。










 PAS 第26話 それぞれの戦い












叫びと共に真っ直ぐレッドはプテともに突っ込んでいく。それに対してキメリアンは両腕の砲塔を結合してレッドに狙いを定める。

(“
はかいこうせん”!!!)

再び放たれる、光の柱がレッドを襲う。しかしレッドは、その一撃を紙一重で回避すると、何事も無かったかのようにキメリアンに突っ込む。

光の柱は、レッドを掠めることもなくそのまま一直線に突き進みビルや家などの建築物に大きな穴を開けて崩壊させていく。


(あの一撃を、突進状態から回避しただと・・・?! 何者だコイツは・・・・・・・?!!)


いつしかレッドはキメリアンの零距離をとっていた。その位置でヒョイとプテは首をレッドの頭の上から伸ばすと、口を開けた。


(・・・なっ!!!)

「プテ、“
はかいこうせん”!!!」


容赦なく放たれた閃光は、キメリアンの身体を完全に捉えた。凄まじい爆音と、衝撃波がレッドとキメリアンを襲った。

凄まじい衝撃を受けたレッドは3メートル以上吹き飛ばされた。これが、ポケモンバトルに付き物の技によるトレーナーへの被害である。

同じく、衝撃と閃光の一撃を受けたキメリアンも3メートルほど吹き飛ばされていた。直撃点はプスプスと音を立てて閃光の威力を物語る。

攻撃のショックでキメリアンは広範囲殲滅形態(バーストフォルム)を解除させられていた。

レッドは衣服についた砂埃を払いながら起き上がると、再びプテに背中をつかませる。 その間に、キメリアンも立ち上がってレッドと睨みあう。

そして、両者は今の攻防が無かったのかのように再び激しい攻防を始めた。












たった一瞬、一度の攻防。だが、この攻防は人を惹きつけた。


「「・・・・・・。」」


ルビーとミツルも、その攻防に完全に眼を奪われていた。口を開けっ放しにして、ポカーンと呆気にとらわれている。

今まで2人は様々なトレーナーと戦ってきた。だからこそ断言できる。あの青年が今まで見てきたトレーナーの中でも、トップクラスだと。

その場にいた者がレッドとキメリアンの戦いに注目する中、サカキは砂埃を払って立ち上がると、ボールからボスゴドラを呼び出した。


「・・・オイ、お前等・・・・・・好機だ。徹底的に叩くぞ・・・・・・。」


サカキがそう呟くと、今まで倒れていたロケット団員たちが何人も立ち上がり始めた。 そして各々ボールからポケモンを呼び出した。

その異変にいち早く、グリーンとブルーが気付いた。2人はサカキのほうを向くとボールを手に持った。


「・・・・・・約束を守らないとな。」


グリーンが呟くと、ブルーは笑みを浮かべる。


「奇遇ね。・・・アタシも妹分は守らないと。」


その言葉に2人で微笑み合うと、ボールからポケモンを呼び出した。 ハッサムとグランブルは威嚇姿勢をとると、数十匹のポケモンたちと睨みあう。


「先輩方、勝手に盛り上がるのは別にいーっすけど、オレたちの存在、忘れないでくださいよ。」


2人の後に、笑顔で立つ4人と、ムスッとした表情の1人。やはり皆、ボールを片手に持っている。

 
「・・・待つったい。私もいるとよ・・・・・・。」


その声を聞いた瞬間、ルビーの表情に歓喜と驚きが入り混じった表情が浮かび上がる。

グリーンは6人を見ると、ため息をついた。 だが、そのため息は落胆のため息ではなかった。

この隙を見たロケット団員のポケモン達が、そんな一行に攻撃を仕掛けようとした瞬間であった。


「“
はかいこうせん”!!!」


男性の声と共に、バトルタワーの上空から閃光が放たれた。閃光はロケット団員のポケモンまとめて吹き飛ばす。

そして、上空からポケモンに乗った集団がぞくぞくと集まってきた。 しかし、全員衣服や全身がボロボロである。


「雑魚の相手は任しておけ・・・。」


カイリューにのった青年は、一言呟くとロケット団員達のほうを向いた。



「四天王の将 ワタル!! 竜の力を司る!!!」



四天王としてのオーラが、ポケモンとトレーナーを牽制する。



「同じく、四天王の シバ!! 闘の力を司る!!!」



ハガネールと共に大地を割って、シバが姿を現した。ボールヌンチャクを肩に掛けて登場した。その後も、四天王たちが続々と集合する。

最後に、メタグロスに乗った青年が現れると、ルビーたちは大声を上げた。


「「「ダイゴさん!!!」」」


ダイゴはルビーたちを見て、コクリと頷くとメタグロスから飛び降りて四天王たちと共に並ぶ。

そうする自然と、戦うべき相手が見えてきた。 倒すべき相手は、人差し指を立ててチョイチョイと挑発している。 “かかってこい”と。

全員で戦いを挑めば・・・と思ったが、イエローを守らねばならない。 


「私が、イエローさんを守ります。」


クリスが名乗りを上げると、自然とゴールドが、そしてシルバーがイエローを守ることになった。

グリーン、ブルー、ルビー、ミツル、サファイアの5人でサカキと対峙することになった。

5人がかりではいささか卑怯に思えたが、今はそういうことを気にしていられるほどの余裕は無い。

ゆっくりと5人はサカキに向かって歩いていく。歩くたびに激痛がはしる者も中に入るようだ。苦痛に顔を歪ませながら、ゆっくりと歩く。



「・・・フェフェフェ・・・。こーなったら・・・、コイツ等の実験だけでもしてやる・・・フェフェフェ・・・。」



キクコは杖を突きながら立ち上がると、笛のようなものをポケットから取り出して思い切り吹き鳴らした。音は全くしていない。

いや、正確には人間には聞くことの出来ない領域の音なのだろう。キクコはその笛のようなものを吹き鳴らしてからしばらくすると、闇の中に1人消えていった。



(さぁ、存分にお暴れ・・・・・・。四聖獣たち・・・フェフェフェ・・・・・・。)



グリーンたち5人がサカキの前まで到達すると、5人とサカキの睨みあいになった。

サカキは全員の姿と表情を見渡すと、見下したような表情で鼻で笑った。


「フン、勝てるとでも思っているのか?? 笑い話だな・・・・・・。」


サカキのオーラに、声が出なくなる。正確には5人の口を動かさせない。

今まで対峙してきたが、おそらくこれが彼の本気なのだろう。 自然と身体が硬直していく。

圧倒的威圧感。殺気ではなく、サカキの本質的な首領としての威厳。多くの団員を支配下においてきた男の自信が引き起こすプレッシャー。

トレーナーとしての格の差ではなく、人間としての格の差がはっきりと解る。

たかが、19年近く生きてきたくらいでは超越することはできはしない。場数が違いすぎる。


「・・・・・・負けるわけには・・・・いかない。」


何とか口を開きサカキに対抗する意思を見せるグリーン。そんなグリーンの態度にサカキは笑みを浮かべるとボールからニドキングを呼び出した。

ニドキングはギロリとグリーン達を見渡すと、自分の足元に強烈に抉り取ると、その衝撃波で“
すなあらし”が発生した。

視界は砂で閉ざされ、目視1メートルも確認できない。そんな中、5人に迫る5つの人影が迫った・・・・・・。

















 「“
つばさでうつ”!!!」

(ぬぅ!!!)

夕焼けの空から滑空してきたプテが、自分の翼をキメリアンの腹部にぶち当てようとする。しかし、キメリアンは間一髪その一撃を防御する。

プテはレッドの背中から離れてキメリアンと1対1で戦闘している。レッドはプテから3メートルほど距離をとっているが、

そのレッドを攻撃しようとするものは誰一人としていなかった。

そんな中、キメリアンは先ほどから思うように攻撃できないことにもどかしさを感じいた。

理由は2つ“レインボーボディ”の特性を発動させる隙が無いことと、飛翔する敵に思うように攻撃を当てることが出来ないことだ。

仮に“レインボーボディ”を発動させようとすると、あのプテラは体勢を崩してでも“
はかいこうせん”や“げんしのちから”を放ってくる。

そして、そのタイミングを計り絶妙な攻撃を仕掛けさせる男の存在を先ほどから非常に鬱陶しく思っていた。


(認めたくは無かったが、あの人間はできる・・・・・・。どうする??)


プテの攻撃を捌きながらキメリアンは自らの遺伝子に刻まれた記憶を呼び起こす・・・・・・。

様々な記憶が走馬灯のように脳内に流れる。 その中に、ある記憶を見つけた。


(・・・・・・これなら、ヤツも手出しを出来まい。介入は出来なくても、“ゲート”なら開ける!)


プテの攻撃を捌いていたキメリアンは、プテをレッドに向けて吹き飛ばすとキメリアンは念の力を強める。


「・・・?」


異変に気がついたレッドはプテをボールに戻すと、別のボールを手にする。レッドの表情が険しくなる。


(人間・・・確かにお前は凄い。だが、私は人間を許さない・・・・・・。この場はお前の勝利でいい。だが、私は人間を滅ぼす!!!)


レッドに力強い口調で思念波を送ると、それと同時にキメリアンは溜めていた念の力を解放するとキメリアンの目の前の空間に穴が開いた。


(時のはざまを経由して、私は全ての人間を滅ぼす。“時渡り”は出来ないが、場所なら移動可能だ!!!)


キメリアンは空間に開いた穴にその身を投げた。レッドは事の重大さに気がつくと、穴に向かって走り出した。



(人間を滅ぼす・・・・・・。やはり、アイツはこの世から消すしかないのか?)



悩むレッドが、穴の前に到達するとレッドはズボンのポケットから手の平に収まるほどの小さな箱を取り出した。

そして、その箱のフタを開けて中身を確認する。 その中には、美しく輝く2枚の羽。“にじいろのはね”と“ぎんいろのはね”が入っている。

レッドは箱のフタを閉めると、箱を元のポケットにしまうと複雑な表情を浮かべて、穴の中に飛び込んだ。




(この展開も予期されていたのか・・・・・・。サカキはオレに何を求めたかったんだ・・・。)




レッドは作為的な運命に導かれて最終決戦の舞台に降り立つのであった・・・。


















 吹き荒れる砂埃に奪われた視界の中、5人はそれぞれポケモンを呼び出して警戒する。

警戒の中、1つの影がルビーにその牙を向けた。



「・・・“
かえんほうしゃ”・・・で、ございます・・・。」



強烈な熱風と火炎がルビーの目前を通過した。その熱風が砂嵐を吹き飛ばした。

5人が突然晴れた“
すなあらし”に驚くと、戻ってきた視界で見た光景にさらに驚いた。


「・・・・・・朱雀のエッジ・・・。」


グリーンは驚きのあまり、眼が点になっている。そしてその横に3人の男女が並んだ。


「「「白虎のニードル!!!」」」


ルビーたち3人はそれぞれのパートナーポケモンをと共に戦闘姿勢をとる。

それに対してニードルはニタニタと笑みを浮かべるだけだ。


「あら、鞭の人もいるのねぇ・・・。まったく草々たるメンバーだわ。」


ブルーは苦笑いを浮かべると、冷や汗が伝った。そして、誰にも触れられないオレンジ色のスーツの男。

この場にジョウト組がいないので名前すらあがらない。

さらに四聖獣の後方の大地が隆起すると、そこからニドキングと共にサカキが姿を現した。


「人数的には、ほぼ五分ですね・・・・・・。」


ミツルが呟いた言葉を、グリーンが否定する。


「・・・サカキ1人で5人分と、本人が言っているんだ・・・・・・。圧倒的に不利だ。」


グリーンはそんなことを言いながらも、呼び出していたハッサムに戦闘姿勢をとらせた。


「・・・だが、負ける気はない。アイツとの約束は守る!!!」


「その言葉を聴いて安心したわ。・・・アタシも、やってやろうじゃない・・・。」


ブルーはニヤリと笑みを浮かべると、いつに無くやる気を見せている。

そんな2人に純粋な質問がサファイアから出た。



「なんで、そげん簡単にあの人ば信用できると?」



その回答を聞かずには、目の前の敵とは戦いたくは無いといった感じの眼をしている。

サファイアだけでなく、それはルビーとミツルも聞きたかったことである。

その質問を聞いた2人は、うっすらと微笑むと2人とも同じ答えを返した。





「「レッドだからだ(よ)。」」







2人にとってそれ以上の答えは必要無い。降り立った時に、イエローを姫抱きの状態であんな優しくて切ない表情をするのは、

本当にイエローのことを心から想うレッドだけだ。

何より、今のレッドの言葉や態度は十分信頼に値する。確かに瞳の色は黒いままだったが、もしもこれで騙されていたとしても後悔は無い。

もう10年近い付き合いなのだ。同じような修羅場を乗り越えて培ってきた友情と信頼関係は、レッドの本質を見極めている。

その回答に不安は疑問を覚えながらも、その回答をしたグリーンとブルーの表情に戸惑いや後悔が一切感じられないので、それが説得となった。



「うちはまだあん人ば信用できるほど交友も無いけど、あんた達ば見とったら信用してみたくなったけん!!」



全てのことが信用できるわけではない。あの光の事だって謎が多すぎる。あんなに酷い状態になっていたバシャーモが今こうして無傷でピンピンしているのだから。

だけど、ボロボロの身体で親友のことを想う事のできるこの2人は、信用できると判断した故の言葉だ。


「・・・サカキは俺が足止めする。だから、四聖獣は頼んだ・・・。」


グリーンはハッサムと共に、サカキの元へ真っ直ぐ歩き出した。その行く手を四聖獣たちが阻む。


「あ〜ら、アンタたちの相手はアタシたちよ。肋骨バキバキだけど、アンタ等ぐらい何とかしてやろうじゃない。」


ブルーがグランブルと共に四聖獣達に声をかけると、ブルーの後ろに立っていたルビーたちも各々のパートナーポケモンと共に前に出てきた。


「・・・ガキどもがぁ・・・薬が切れちまったじゃねぇか・・・。」


「・・・・・・新しいオモチャねぇ・・・。そそるわ・・・・・。」


「・・・シニョリーナ、紳士の付き合い方で虜にしてあげましょう・・・。」


交戦の意思を見せる四聖獣達。その4人の間を堂々とグリーンは通過する。 真っ直ぐサカキの元へ歩みを進める。



「フン、ジムリーダーの先輩として・・・真の大地の極意を教授してやろう・・・・・・・。」



その瞳に睨まれた瞬間、ゾクリとする悪寒がグリーンの全身を駆け巡る。視線が合った訳ではない。

本当にただ睨まれただけだ。しかも、その雰囲気にグリーンだけでなくハッサムも同じような現象に襲われる。

もうすでに、グリーンは解っている。目の前にいる男と自分との圧倒的実力差に。

グリーンも相当な実力者である。だからこそ、敵対する者の実力はいやおう無しにわかる。


「・・・俺にだってプライドは有る。だったら、俺が導き出した新しい大地の極意で戦うまでだ。」


ハッサムを一度ボールに戻すと、別のボールからサイドンを呼び出した。

サカキはニヤリと笑うと、ニドキングをボールに戻して、同じくサイドンをボールから呼び出した。

早くも、グリーンの後では四聖獣とブルーたち4人の戦いが始まっている。

あの実力者達に対して、何処まで頑張れるか微妙なところだ。

サカキとグリーンは睨みあう。片方は余裕の笑み、もう片方は相手からの重圧に嫌な汗を流している。


「くっ!! サイドン、“
ロックブラスト”!!!」


重圧に耐えかねたグリーンが先手を取って、サイドンに攻撃を命じる。

サイドンは大地に強烈な一撃を加えると、その衝撃波で正面のサカキとサイドンに向けて大地の破片や砂が吹き飛んでいく。


「フン、サイドン、“
ロックブラスト”!!!」


サカキのサイドンも同じように、大地に一撃を加えて衝撃波で破片や砂を飛ばす。

ぶつかり合う技と技。“
ロックブラスト”は完全に相殺しあった。サカキは鼻で嘲笑うとグリーンは今度はサイドンを突っ込ませた。

ドスドスと音を立ててグリーンのサイドンはサカキとサイドンに向う。


「サイドン、“
つのドリル”!!!」


ドスドスという足音に加えて、ドリルの高速な回転音が混じる。それに対抗してサカキのサイドンも同じような行動をとる。

互いのサイドンが一撃必殺を狙って、自身の角で突く。 だが、片方のサイドンが攻撃を仕掛けると相手のサイドンが角でその攻撃を相殺する。

いつしか角と角とのぶつかり合いとなり、ぶつかり合うたびに、激しい接触音が響く。


「グリーン、意地を張らずに全てのポケモンを開放したらどうだ? お前だって解るだろう。・・・格の差ってやつがな・・・。」


サカキのこの言葉にもグリーンは表情1つ変えずに、冷静に攻撃を命じ続ける。

だが、その冷静は見せ掛けに過ぎない。実際は必死である。

実力者だからこそ解る、様子を見られている現実。こちらの行動を完全に読まれているのが感覚的にも現実的にも解る。

全てのポケモンによる一斉攻撃は、何時切り出そうかと機会をうかがっていた最後の切札である。

その最後の切札を出せと要求されているのだ。もう既にこの勝負は決着がついている勝負なのだ。

だが、解っていたことだ。それを承知で今、この男と戦っているのだ。


(・・・人間の大罪の一つに“傲慢”がある理由が解る気がする。 ・・・だが、負けるわけにはいかない!!)


グリーンは歯を食いしばると、ボールホルダーから1つのボールを取り出してカイリキーを呼び出した。

「フン、ダブルバトルか・・・。 結果は変わらんがな。」

サカキも新たなボールを懐から取り出すと、ニドキングを呼び出した。



(・・・たとえ、この“傲慢”と使命感の入り混じった感情によって大きな被害を被ろうと、後悔はしない・・・・・・。)



「“
ばくれつパンチ”!!」


素早いフットワークでカイリキーはサカキのサイドンに接近して、強烈な一撃を放った。

サカキのサイドンの顔面にカイリキーの拳がグシャリとめり込むと、サカキのサイドンはバトルタワーの正面玄関までぶっ飛ばされた。


「フフフ、見せてみろ・・・。お前の抵抗をな・・・・・・。」


















 「バクたろう、“
ほのおのパンチ”!!」

炎を宿した拳で、アーボックやマタドガスを殴り飛ばしていくバクフーン。

「ギャラドス、“
りゅうのまい”!!」

紅色のギャラドスが力強い舞を踊る。自然界の王者の力を強調したような動きだ。

「そして、“
あばれる”!!」

体長が6メートル以上ある生物が暴れまわるのだ。周囲にいたポケモンたちは一気になぎ倒される。

「エビぴょん、“
マッハパンチ”!」

主人から命を受けたエビワラーがフットワークから眼にも止まらぬ素早さで拳を放ち、群がってくるポケモンを追い払う。

しかし、いくらこの3人が敵を追い払ったり倒しても、次から次へと別のトレーナーやポケモンが襲い掛かってくる。

ジョウト組は気絶したままのイエローを守るために、ロケット団員と戦い続けていた。

四天王とチャンピョンの実力と頑張りは認めるが、人数が多すぎる。 四天王たちの攻撃を掻い潜り、ジョウト組とイエローを狙う団員の数はとても多い。

しかも、この団員達はそこらの一般トレーナーとは比べ物にならないほど強い。

手持ちのポケモンもしっかりと育成されており、トレーナーとのコンビネーションも良い。

さらに、地上部隊だけでないのがさらに厄介なところである。


「A班は5人編成で上空から四天王たちに奇襲を仕掛ける。B班は上空からあの金髪の少女を頂く。話によるとあの少女は現首領にとって障害との事だ。」


どこかのビルの屋上でロケット団員たちが数十人集まっている。 彼等が、非常に厄介な降下部隊である。

降下部隊の面々は作戦内容を把握すると、ボールから飛行ポケモンを呼び出した。

ピジョット、オニドリル、オオスバメ、グライガー、ゴルバット・・・・・・と、様々な飛行ポケモンが一斉に姿を現した。


「作戦開始。」


全員無言で頷くと、いそいそと行動を開始する。そしてポケモンに掴まったり掴まれたりして5人一組のグループで、団員達が降下しながら攻撃を仕掛ける。


「カイリュー、“
はかいこうせん”!!」


軌道自在の“
はかいこうせん”で地上部隊のポケモン達を焼き払っていく。だが、そこへ上空から“あやしいひかり”が放たれた。


「ワタル、また上から来るわ!! 気をつけて!!!」


ジュゴンと共に戦うカンナの声がカイリューと共に戦っていたワタルの元に届く前に上空からの攻撃が始まった。

あやしいひかり”の効果で、混乱してしまうポケモンたち。

そこへと、“
ヘドロばくだん”や“どくばり”、“スピードスター”、“エアカッター”が一斉に降り注ぐのだ。

いくら一騎当千の四天王やチャンピョンであろうとも。地上部隊を相手にしながらこの攻撃を防ぐのは難しい。

そして、降り立った降下部隊は地上部隊と合流して回復アイテムを支給したり、攻撃を援護し始めるのだからたまらない。

この攻撃は、四天王とチャンピョンだけでなくイエローとジョウト組にも襲い掛かる。


「くそっ!!また来やがった・・・・・・!! 何度目だよ!!!」


ゴールドはマンたろうやキマたろうをボールから呼び出して上空からの攻撃者を狙う。

その判断に、クリスとシルバーも賛同してポケモンを呼び出す。 ヤミカラスとネイぴょんだ。

それぞれのポケモンにしっかりと命令を与えたいが、何分地上部隊の相手にてこずっているので簡単な命令しか下せない。

降下部隊の面々は、そんな適当な命令しか受けていないポケモンの攻撃などいとも容易く捌いてイエローの元へと降下する。


「クリス!!!イエローさんが危ない!!!」


ゴールドの絶叫虚しく、降下部隊はポケモンを次々に展開してイエローを包囲した。

イエローを守ろうと、ピカやニョロ、ブイといったレッドのポケモンたちがイエローを守ろうとしている。

別の降下部隊がさらに降下してきて、クリスやゴールド、そしてシルバーを足止めする。 

見事に足止めされるジョウト組、その間にもジリジリと降下部隊がイエローとの距離をつめる。

威嚇姿勢をとってレッドのポケモンたちがイエローを守るために、自らの意思で降下部隊のポケモン達に攻撃を仕掛け始めた。

放たれる電撃、拳、念・・・・・・・。レッドのポケモンだけあってかなりの戦闘能力を保有しているので、何とかイエローへのこれ以上の接近は許していない。

レッドのポケモンたちが、主人のために戦ってくれたいることがわかると、イエローのポケモンたちも自らの意思でボールから姿を現した。



(オレたちは守りきれるか・・・・・? イエローさんを・・・???)



















 「真の大地の極意を見せてやろう・・・・・・・。」


サカキの一言は、ボロボロのグリーンをさらに追い詰めた。 弾かれた指から音がすると、サカキのポケモン達が全てボールから呼び出された。

そして、呼び出されたポケモンたちは一斉に“
じしん”を放った。同じタイミングで大地に衝撃を与えたので、一撃、一撃が合力されて

より強力な一撃となり、それに比例しても猛烈に大地を揺らした。

そしてその揺れが最悪な展開を呼んだ。





「フフフフフ・・・ハハハハハ・・・!!! これが、これが大地の力だ!!!」





激しく揺れた大地の影響で、崩壊しかかっていたバトルタワーが揺れに耐えかねて音を立てて崩壊を始めた。


「・・・・・・なっ!!!」


巨大な瓦礫とガラス片がこの場にいた全てのトレーナーに平等に降り注いだ。







崩壊したバトルタワーに、夕焼けの赤い光が降り注いでいた・・・・・・・。
















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