因縁の戦い再び、そして、黒き大地の再臨・・・
かつて、カントー四天王の将 ワタルを中心に“人類粛清計画”が立ち上がったことがあった。
この事件で明かされた数多くの事実・・・。
その中に、オーキド博士と、キクコの関係が上げられる。
その因縁を引き継いでか、このときの戦いでオーキド博士の孫であるグリーンは
キクコと対峙することになった。
あの戦いから、6年の月日が流れた・・・。
一方、勝利の余韻に浸っていたホウエンのトレーナーたち。
四聖獣との戦いによって、倒れた仲間と自身の治療に必死になっていたため
そこへ迫り来る黒き大地の鼓動を感じずにいた・・・・・・。
PAS 第17話 迫り来る影と影。
グリーンは、ブルーとイエローの二人を残して扉を開ける。
その先は一本の細い通路になっており、その先にまた扉がある。
とりあえず通路を進み扉の前に立つ。 その扉を開けるとそこは階段になっていた・・・。
(スオウ島以来か・・・。 今の手持ちの状況で何処までできるかが問題だ・・・。 だが・・・!!)
グリーンは階段を一段ずつ上っていくと、3階で階段は終わっていた。 そしてまた扉・・・。
もうすでにこの扉を前にして、非常に禍々しき力を感じ取ることができる。
グリーンは意を決して扉を開いた・・・。
「・・・!! これは・・・!!!」
目の前に広がっていた光景は、小さな研究施設であった。
書類や書籍、はたまた薬品や機材が所狭しと置かれている・・・。 そして、
「・・・キクコ!!」
小型のマイク片手に椅子に座っている老婆は、そうグリーンに呼ばれるとグリーンの方を振り向いた。
「フェフェフェ、来たかいグリーン・・・。 隣のフロアで一対一で勝負しようじゃないか・・・。」
キクコは手に持った杖で一つの扉を指す。 グリーンが杖の先を見ている間にいつの間にかキクコの姿は消えていた・・・。
グリーンは無言のまま、キクコが指した扉を開けてその先のフロアに進んだ。
(成程・・・。)
さきにフロアはバトル場になっていた。 しかも、スオウ島でキクコと戦ったフィールドを人工的に再現していた。
グリーンがこのバトル場をある程度確認していると、突然背後に何かの気配がした。
「・・・バトルはすでに始まっているわけか・・・。」
グリーンはボールを片手に持って移動し始めた・・・。
「ッチ・・・!!」
グリーンは舌打ちすると、何か黒い物体を回避した。 しかし、黒い物体はグリーンのリザードンに直撃した。
バトル場に入ってからもうすでに10分は経過しただろうか。グリーンとリザードンはすでにズタボロにされていた。
ズタボロの理由は、かつてキクコと対峙したときにキクコが使用した戦術、“ゲンガーによる影からの攻撃”によってだ。
しかも今回はゲンガーが一体ではないようだ。 一度、攻撃を回避しても回避先の影から攻撃されるという最悪のコンボだ。
さらに、キクコの得意とする“ポケモンの遠隔操作”によってグリーンはいまだキクコの姿も、いや存在もつかめていない。
(完全にはめられたかもな・・・。)
グリーンが一瞬、そんなことを思った瞬間であった。 上空からグリーン目掛けて毒液が放たれた。
(思考する隙も与えないということか・・・!!)
何とかその攻撃を回避するが、背後からの痛恨の一撃。 グリーンはその場に倒れてしまった。
主人が倒れたことに動揺してしまったリザードンも、ゲンガーからの一撃を受けて戦闘不能になってしまった。
グリーンとリザードンが倒れたことを確認すると、それぞれの影からゲンガーが一体ずつ姿を現した。 そして上空からクロバットが姿を現した。
そのクロバットはもう一度上空に飛び上がると、“あやしいひかり”をフロア全体に届くように放った。
すると何処からか、コツ、コツと杖を突く音がし始めた。
そしてその音はグリーンの近くで止まった・・・。
「フェフェフェ・・・。 グリーン、どうだいアタシの攻撃と戦術は。 満足かい?・・・フェフェフェ。」
不気味な笑い声を浮かべながら、声の主はグリーンにさらに接近した。
その瞬間であった。
キィーンと鋭い金属音が静まり返っていたバトルフィールドに響き渡った。
「フン、さすがオーキドの孫。 気絶と見せかけてアタシを誘い出したわけか・・・。」
グリーンはボールからハッサムを呼び出してキクコに攻撃を仕掛けたが、キクコは自分の杖で辛うじて攻撃を防いだ。
「・・・まさかハッサムの“きりさく”で切れない杖となると仕込み刀か・・・。何をする気かは知らないが、自分の手を汚すことを嫌うお前が
そんなものは使えるわけが無いだろう・・・。 お前の策も技量も認めるが、さっさと隠居生活したほうがいいぞ・・・。 もう少し長生きしたいならな・・・。」
グリーンはゆっくりと立ち上がりながら、リザードンをボールに戻しキクコに話す。
「なめられたもんだねぇ・・・。 だが、最後に勝つのはこのアタシだよ!!」
キクコはボールを一つ取り出すと、ボールからゲンガーを出した。
「フェフェフェ、いくらおまえでもこの3体攻撃にはかなうまい・・・。せいぜい楽しみな!!」
そういい残すと、キクコはクロバットと共に闇にまぎれてどこかに消え去った。
「待てっ!! そう易々と逃がすわけには!!」
グリーンが闇に消え去ろうとするキクコに手を伸ばしたが、その手はゲンガーによって阻まれた。
(こいつらを倒すのが先決なのか・・・。)
一匹のゲンガーが、グリーンに“シャドーボール”を投げつけた。 グリーンは暗闇に包まれ、精神侵食を受ける。
「ぐぁああぁぁ・・・。」
強力な精神侵食にグリーンはその場に膝をついた。両手で頭を押さえ気をしっかり保とうと何とか耐える。 しかし、その間にも残り二匹のゲンガーの猛攻が迫る。
ドスッ
自分の影からの攻撃・・・。
ドスッ
今度はハッサムが攻撃を受ける。
グリーンはまた新しくボールを手にとって今度はポリゴン2を呼び出した。
(イエローに治癒をしてもらっておいて正解だったな・・・。)
しかし、その治癒も一瞬で無駄になった。 フィールドに出た瞬間に影に入り込まれ技を繰り出す瞬間に攻撃を受けてしまう。
さらに、技を指示しようとするグリーン本人も攻撃を受けてしまいどうしようもない・・・。
打開策も見つからないまま、体力と気力が奪われていく・・・。
あまりにも攻撃を受けすぎて朦朧としていく意識、そんな意識の中で誰かの声を聞いた・・・。
(「へへっ。投げとばされたら落ちる力を利用するまでさ! グリーン!おまえこそ今までのオレと思うなよ!!」)
グリーンはこんな絶体絶命のときにアイツの声を思い出すとは、自分も相当末期症状だと思った・・・。
そして、その台詞は何度も何度もグリーンの頭の中を駆け巡る。
(・・・・・・。 成程、要するに冷静になれってことか・・・。)
グリーンは攻撃を受けながらも冷静にゲンガーたちの動きを見る。
(オレ自身を攻撃後は、オレのポケモンを狙う・・・。 そして回避したものの影を狙うゲンガーがいて、
“シャドーボール”を影にまぎれながら打ち込むゲンガーは、攻撃されている者以外を狙う・・・。)
どうやらゲンガーたちは、主人が傍で詳細な命令を受けれていないので、単純な行動を繰り返しているだけだった。
(ならば・・・、こうするとどうだ?)
グリーンはハッサムとポリゴン2をボールに戻した。
すると、規則を乱されたゲンガーたちは攻撃がバラバラになった。
しかし、バラバラになったとはいえ、ゲンガーは猛攻を仕掛ける。
“シャドーボール”を辛うじて回避するが、回避後の攻撃用のゲンガーと通常攻撃のゲンガーから攻撃を受けてしまった。
「ぐはっ!!」
危うく倒れそうになるが、何とかこらえた。
(攻略方法は分かった・・・。 一瞬に賭ける!!)
グリーンはボールを一つ手に取ると、“シャドーボールのゲンガー”を待ち伏せる・・・。 しかし
「ぐぅっ!!」
通常攻撃のゲンガーから攻撃を受けてしまったグリーンは、息が止まりそうになるところを死ぬ気で耐えた。
そして、狙っていた一瞬が訪れた・・・。 グリーンは極限まで集中する!!
「形無き敵を!! ハッサム、“きりさく”!!」
刹那の間に、3回の斬撃音・・・。
グリーンはその場にまた膝をついてしまった。 すると何処からとも無く声が聞こえる・・・。
「まさか、規則性を読まれたとはねぇ・・・。 さすがオーキドの孫・・・。 “シャドーボール”と同時に攻撃を仕掛けるタイミングを探し当てて、
さらにその攻撃を回避して、回避後の攻撃役をも引きずり出すとは・・・。 フェフェフェ、この戦いは負けということにしておいてやる・・・。
勝負には敗れたが・・・勝利は逃さないよ!! 真ロケット団野望達成のシナリオは完成に向かっているんだよ!!」
「・・・野望だと!? レッドがあんな風になったのと、どういう関係があるんだ!!」
グリーンの絶叫もむなしく、キクコは不気味な笑い声を響かせたが、何時しかその声も聞こえなくなっていた・・・。
(真ロケット団の野望だと・・・。 何を企んでいるんだ・・・。)
しばらくして、グリーンは先に進むための階段を発見して、4階へ向かうのであった。
「地下闘技場に追い込め。 あとでブラックを向かわせる・・・。」
誰かが、通信機を使って会話をしていた。声は低いところから、男性のようだ。
その謎の男性は、ルビーたちが居るバトル場の出入口を開けてバトル場に堂々と入ってきた。しかし、その侵入にルビーたちは気付けなかった。
その男性は、辺りを見回すとニードルの姿を確認した。 その姿を見るなり舌打ちすると、ボールを床に落とした。
ボールからは、ボスゴドラが姿を現した。ボスゴドラは物音一つ立てずに接近すると、自身の尾にエネルギーを送ると、尾を鋼鉄並みの硬度に変化させた。
「金の無駄だったな。」
たった一言吐き捨てるように言うと、やれ。と呟いた。 その言葉の直後、ニードルが拘束されていた岩は粉々に砕かれ、ニードル自身も大きく吹き飛ばされた。
流石に岩の砕けた音を聞いたら、ルビーたちも気付かざるを得ない。ルビーはミツルにサファイアを頼むと、MIMIと共に音のした方に向かう。
しかし、そこに人影は確認できなかった。 唯一確認できたのは、先ほどまでニードルが拘束されていた岩のところに大きな穴が開いていることぐらいだ。
ルビーはその大きな穴を不思議に思い覗き込んでみたが、何も無かった。 正確には、深く深く掘り進められており奥を見ることができなかった。
とりあえず、付近に誰かが潜んでいると思ったルビーは、MIMIと共に警戒を強める・・・。
静まりかえるバトル場・・・、しかし、よく耳を済ませてみると何処からかゴゴゴゴゴと何かの音が聞こえる。
そして、音と関係しているのだろうか、床が若干振動している。ルビーは地震かと思ったがかなり長い時間揺れるので流石に不審に思った。
「ミツルくん、そっちは大丈夫かい!?」
ルビーが声を上げてミツルに呼びかける、しかし、その返事はいつまでたっても返ってこない。 その後も何度も声を上げてみるが返事はない・・・。
不意に胸騒ぎがした。ルビーは急いでミツルとサファイアの元へ向かう、しかし、そこには2人の姿はなかった。
変わりにあるのは大きな穴一つ。それ以外は2人に関するものが一切無かった。 混乱するルビー、とにかく2人の名前を呼び続けた。
数分呼び続けたが、両者からの返事は無かった。
「なんだ、まだ一人居たのか。」
背後で聞こえる、男性の低い声。 その声を聞いた瞬間、ルビーは昔父親から感じ取った感覚以上のものを感じ取った。
ルビーはこの男性と会話をしようとしたが、後ろを振り返る勇気も、声を出す勇気も彼の心から奪われていた。
咄嗟に手に持っていたボールを握る手に力が入る。
勇気は存在しなかったが、無理やり自身を反転させて後ろに立っている男性を見る。
中年の男性だが、放たれている威圧感から相当な実力者であることがわかる。黒を主体とした服装に赤く輝く「R」のエンブレムこの服装は先ほどのニードルと同じだ。
しかし、父親センリ、ニードル、マツブサ、アオギリ、グラードン・・・・・・。数々の強敵を相手にしてきたルビーだったが、この男性は格が違いすぎると即座に悟った。
ルビーは握り締めたボールからポワルンのPOPOを呼び出すと、MIMIと共に戦闘態勢を取らせた。
「ミツルとサファイアを何処へやったんですか・・・?」
ルビーは丁寧に質問してみる。それに対して中年の男性はたった一言返した。
「今から送ってやる、待ってろ。」
パチリと指を弾くと、ルビーの左右の床が隆起してそこからニドキングとニドクインが現れた。
意表をつかれたルビーだったが、冷静にMIMIとPOPOに対処を命令する。
「MIMI、“みずのはどう”、POPO、“みずでっぽう”!」
中年の男性のポケモンはルビーによって床の中へ再び戻された。その様子を見た中年の男性はニヤリと笑みを浮かべるとボールを一つ手に取った。
「四天王の連中よりも楽しめそうだな。・・・・・・行くぞ、小僧。」
ボールからは、ボスゴドラが姿を現した。ルビーは、2体に攻撃を命じる。
「MIMI、“ハイドロポンプ”、POPO、“みずでっぽう”!!」
じめんタイプが苦手とするみずタイプの攻撃で攻めるルビー、しかし、ボスゴドラは“まもる”で攻撃を凌いでしまった。
「地面だけでは芸が無いんでな。“10まんボルト”」
ボスゴドラは強烈な電撃でMIMIとPOPOを狙う。
「MIMI、“ミラーコート”!」
電撃が直撃する前に“ミラーコート”を展開して電撃を跳ね返した。
「フッ・・・」
弾き返された電撃は中年の男性のボスゴドラを襲ったが、ボスゴドラの鋼の身体を電気は流れ、尾を床に差すことで咄嗟にアースを作り電気を地面に逃がした。
中年の男性が笑みを浮かべていると、突如バトル場に雨が降り始めた・・・。 その雨に反応して、ルビーのPOPOは水玉のような形に姿を変えた。
「“あまごい”か。 だが!!」
中年の男性は、ボスゴドラの“あなをほる”でボスゴドラと共に姿を消した・・・。
雨の振る音がバトル場を支配する・・・・・・。
その音の中ルビーは、ひたすら集中した。数分の時間が経過したが、雨の音以外物一つしない。
ルビーは一瞬緊張を解いて深く深呼吸をした。 だがその瞬間を待っていたと言わんばかりに突如ルビーの周囲の床が一気に隆起した。
「ニドキング、“つのドリル”!!」
床下からあの中年の男性の声が聞こえたと思うと、ルビーは不意をつかれた。だが、咄嗟の機転でMIMIに応戦を命じた。
「MIMI、“ハイドロポンプ”!!」
MIMIの放った強烈な水流はニドキングを襲う、しかしその間にルビーの背後からニドクインが飛び出してきた。
ルビーは今度はPOPOに応戦を命じる。
「POPO、今の天気なら行ける“ウェザーボール”!!」
POPOは水の力を凝縮した大きなエネルギー球を発生させると、ニドクインに飛ばした。
ニドクインは攻撃を受けて、その場で倒れて戦闘不能となったが、一方のニドキングは、MIMIの水流を“つのドリル”で相殺しながら、ルビーに接近する。
相殺される際に吹き飛ばされる水が、ルビーの視界を奪う。 とにかくルビーはPOPOにMIMIの援護を命じると、一度この場所から距離を取ろうとした。
「・・・・・・!!!」
ルビーの右足は地中からの何かの手につかまれて、動かすことができない。 ルビーはその手の形状から、足を掴んでいるのはボスゴドラであることを察した。
ボスゴドラは徐々にルビーの足を握り締める、その激痛にルビーは顔を歪ませる。 そしてボールからエネコロロのCOCOを呼び出した。
「COCO、よく狙って・・・。“アイアンテール”!!」
COCOは自身の尾の硬度を鋼鉄並みに変化させると、宙で一回転してルビーの右足を掴む手だけを狙い、尾を振り落とす。
振り落とされた尾はボスゴドラの手を打った。そのダメージによってボスゴドラの手の握力は一気に弱り、その隙にルビーは右足を引き抜いた。
今度こそ距離をとろうとした頃には、ニドキングはPOPOの“ウェザーボール”の一撃で戦闘不能となっていた。
COCOと一緒に距離をとったルビー。
その間にニドキングが出てきた穴からボスゴドラが急に飛び出して、“すてみタックル”でMIMIとPOPOをルビーの元へ吹き飛ばした。
吹き飛ばされた2匹はルビーとCOCOにぶつかり、ルビー共々ストラクチャーの岩まで吹き飛ばした。
「う・・・・・・。」
その衝撃に苦痛の声を漏らすルビー、しかしその間にもボスゴドラは“とっしん”してくる。その場を逃げようにも、ポケモンたちによって動けない上に
衝撃の影響で頭がふらついてしまい、身体が動かない。 それでも迫り来るボスゴドラ。 ルビーはボールを一つ手に取ると、ボールからZUZUを呼び出した。
「ごめん、ZUZU。厳しい体調ということは分かっている・・・。 ZUZU、“マッドショット”!!」
ZUZUの身体はニードルのノクタスの“針”によって貫かれた身体だったが、患部を包帯でぐるぐる巻きにしてある。ルビーの応急処置だろう。
毒のほうも、“どくけし”で治療済みのようだ。
そんなZUZUはルビーの命令どうり、“マッドショット”を放つべく、いまだ降り続ける“あまごい”の雨から水の力を得ると、
撃ちだす泥の変わりに床を砕いて床の破片を撃った。 しかし、本来の威力の半分の威力も出力できなかった。その理由に土でないことが挙げられるだろう。
そんな威力の無い攻撃に怯むはずも無くボスゴドラは“とっしん”してくる。そしてボスゴドラはZUZUの目前まで接近してきた。
「今だ、ZUZU“だくりゅう”!!」
ZUZUは自身の水の力を一気に解放して、激流を発生させる。その激流は床の破片や、床下のコンクリート、はたまた砂埃や岩の破片などなど多くのものを巻き込んで
濁りに濁って、ボスゴドラを襲う。ボスゴドラは“だくりゅう”に飲み込まれ流された。
流されている間、岩の破片やコンクリートの破片などにも激突して大きなダメーシを受けると、その“だくりゅう”が収まるころには戦闘不能となっていた。
ルビーはそれを見るとほっと胸を撫で下ろした。ポケモンたちをある程度ボールに戻そうと、立ち上がろうとした瞬間であった・・・。
「乾坤一擲の一撃を受けてもらう。 ゴローニャ、“いわなだれ”!!」
あの中年の男性の声が再び地中で聞こえると、先ほどの“だくりゅう”によって禿げ上がった床から、ゴローニャが飛び出した。
飛び出したゴローニャはその勢いを殺さずにルビーが背にしている岩に激突して岩を砕くと、崩れゆく岩と一緒になって自身も砕けて岩の雪崩を引き起こす。
「なに!?」
落ちてくる無数の岩の破片がルビーとポケモンたちを襲う。避けることもできずに、岩に襲われるルビーたち。数秒の間に、ルビーは岩の破片の下敷きになってしまった。
そして“いわなだれ”が収まる頃、床の上に姿を現した中年の男性。 そして悪夢の一言を言い放った。
「ゴローニャ、“だいばくはつ”。」
岩の破片が、光り輝きだすと凄まじい爆音と共に弾けとんだ。 辺りに広がる衝撃波と熱波。そして飛んでくる無数の岩の破片。
その閃光の先に、倒れるルビーとポケモンたち・・・。
中年の男性は爆発が収まるのを確認すると、鼻で笑うと自身のポケモンをボールに戻し始めた。
雨は止んでいた・・・・・・。
それからしばらくして、ルビーとそのポケモンたちが倒れる床に大きな穴が開いてルビーたちはその穴を伝ってどこかへ落ちていった。
それを確認した中年の男性は通信機を取り出すと、誰かに連絡を取る。
「そちらの状態はどうだ。何か変化あったか。」
すると返ってきた声から推測するに老婆のようだ。
「オーキドの孫に先を進まれた。ブラックをぶつけてみるいいチャンスだとおもうがねぇ、フェフェフェ・・・。」
奇妙な笑い声を上げる通信機の先に居る相手。
「“媒体”の確保は進んでいるか?」
中年の男性は、話をどんどん進める。要点以外には興味が無いようだ。
「アンタの研究資料と、ブラックの遺伝子、24個のバッジ・・・。即座に呼んで見せるさ、フェフェフェ。」
「わかった。」
一言呟くと、通信を切った。 今度は別の相手に連絡を取るようだ。
「こちらも、終った。 お前は最上階で待て。こちらはプロジェクトの準備に入る。それまで身体を休めておけ。」
通信機の先の相手にそう話しかけると
「わかった。」
と、青年のような若い声が聞こえてきた。 その声を聞いた中年の男性は通信を切るとバトル場を後にした・・・。
「他の連中が誰一人ここに来ていない・・・。もしかしたら途中で・・・。」
グリーンは握りこぶしを作って2人に話した。 ブルーとイエローも俯いて暗い表情になった・・・。
「でも、大丈夫だと思います!! みなさん、今までも大丈夫だったじゃないですか・・・。」
イエローの発言は根拠も何も無いものだが、3人とも多少は明るい気持ちを取り戻すことができた。
「そうよね・・・、シルバーたちがそう簡単に・・・。」
「・・・ホウエンからの援軍も、腕は確かなはずだ・・・。 大丈夫だろう・・・。」
3人はとにかく上を目指した・・・。 残すは、4階と最上階だけである。
はたして、最上階にたどりつけるのだろうか?
そして4階で待つものは・・・?
3人は階段で4階へと歩みを進めるのであった。
第18話ヘ・・・