AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する




目覚め行く、黒き力、黒き意思・・・・・・。








アサギシティに北風が吹く。

それは11の気高き風

悪の力を持ちし風・・・

竜の力を持ちし風・・・

氷の力を持ちし風・・・

鋼の風に導かれ

一つとなって

風は駆ける

風の集いし場所で

待っているのは黒き力・・・

気高き風はそれを討つ












 PAS 第13話 北側裏口、激突! 黒き力VS四天王軍団!!












 今、アサギシティ上空に一機の機影が確認できる。 

その機影は街の北側に消えると街の北側から強烈な北風が吹いた。

総勢11人のトレーナーが街のバトルタワーに向けて自分たちのポケモンの背に乗り突撃してくる。

カイリュー、フライゴン、クロバット、ハガネール、メタグロス・・・・・・

11匹のポケモンの背に11人のトレーナーたち、相当な兵(つわもの)なのだろう雰囲気がそこらのロケット団員とは比べ物にならない。

スーツを着た青髪の男性がメタグロスに乗り、先頭を駆ける。

目指す場所は待ちのはずれにあるバトルタワー、すでにルビーから連絡を受けている青髪の男性は街の北側から侵入しバトルタワーの裏口を目指す。

道を進んでいくたびに現れるロケット団員をその勢いと気迫で追い払いひたすら直進する。

直進、直進、ただひたすらまっすぐ直進・・・・・・。

ひたすらバトルタワーを目指す、11人。








 この青髪の男性、名を「ダイゴ」という。

ルビーたちを今回の戦いに送り出した張本人である。 

彼の肩書きは、ホウエン地方一の企業「デボン・コーポレーション」社長の息子。そして、元ホウエン地方リーグチャンピョン。

「アクア・マグマ団事件」を解決に導いた一人でもある。 鋼タイプのポケモンを操り戦う凄腕のトレーナーでもある。

そんな彼が集結させたメンバー、それはジムリーダー以上の腕を誇る凄腕のトレーナーたち・・・・・・・。

そう、四天王である。 「アクア・マグマ団事件」でもホウエン地方の四天王を集結させて戦っている彼は、

今回の事態を解決するために四天王への協力を依頼したのだ。

特に、今回の事件はホウエンではなくジョウトで起きている。 そこで彼はジョウトの四天王にも協力を依頼してみた。

中には、連絡先も、所在地も不明というトレーナーもいたが、デボン・コーポレーションが総力をあげて調査して全員を発見、協力を依頼することができた。

ジョウトの四天王も今回の事件には大きな興味を持っているようで全員快く協力を了解してくれた。












 四天王・・・、この兵たちについても少し触れておく必要があるだろう・・・・・・。




まず、ホウエン地方の四天王



」のカゲツ、「」のフヨウ、「」のプリム、「」のゲンジ



そして、ジョウト・カントーの四天王


」のシバ、「」のカンナ、「」のカリン、「」のイツキ、「」のキョウ。「」のワタル


彼ら、特にカントー四天王が快く協力を了解した理由、それはあるもう一人の四天王が今回の事件に関与しているからである。






その一人の名は「
」のキクコ・・・。 

相当な老体でありながら未だ衰えない研ぎ澄まされた策略と知識、経験、技術を生かし今も現役のトレーナーとして活動している。

元々は、研究者としての道を歩んでいたがいつの間にか「理想郷計画」など過激な発想や危険な研究の手を染め、

トレーナーとして生きる道を見つけ四天王となった。

一度は、同じ思想の元に集った仲間である。これ以上、醜態を晒させるわけにはいかないと、四天王の問題は四天王で解決することとなった。














 そうこうしているうちにバトルタワーが目視できる距離まで到達した。 全員の表情が引き締まる。

先頭を切っているダイゴがバトルタワーの様子がおかしいことに気がついた。




(なんだ、あの巨大な影は・・・・・・?)




バトルタワーの前に大きな影が見える。 伝説のポケモンでもない限りあそこまで大きくならないだろう。

ダイゴは眼を凝らしその影を見る。ぼんやりとだが、光が収束し始めているように見える。




(光の収束現象?一体何が・・・?)




さらに眼を凝らし、影の正体を突き止めようとする。 すると、11人の11匹のポケモンが動きを止めた。

「カイリュー。どうした!?」

ワタルがとっさに「力」をつかってカイリューの心と「通心」する。。




(・・・・・・!!)




カイリューと「通心」したワタルの表情は一変して、一気にこわばらせる。

「に、逃げろ・・・・・・、やられる・・・!!」

バトルタワー方向から、ダイゴたち目掛けて閃光が走る。

その閃光は、今から始まる狂気の宴の始まりに過ぎなかった・・・・・・。












 放たれた閃光は、大地を吹き飛ばし四天王たちをひるませるには十分すぎた。

「・・・ったくどこのバカだぁ・・・、不意打ちとはいい度胸してんじゃねぇか・・・。」

カゲツが何とか立ち上がり、全身の砂埃を払う。

周りを見渡すと、ほかの四天王たちも立ち上がり始める。

とりあえず、自分のポケモンを一度ボールに戻すとほかのポケモンたちを出す。

「・・・こっちはなぁ、孫がいる年齢なんだよ。 ちったぁ考えろォ!!」

カゲツはボールから出したアブソルにまたがるとそのまま直進する。

「追うぞ!!」

シバの気迫のこもった声とともにもう一匹のハガネールを出すとカゲツに続く。

それを見た他の四天王たちもそれに続く。

直進してくる四天王たちに対して、謎の巨大な影はまた閃光を放つべくエネルギーの収束を始める・・・。

「二度も同じ手を食うわけにはいかない!! 全員散るんだ!!」

ダイゴの声が四天王全員に伝わる。 しかし、そんなダイゴの耳元で突然声が聞こえた。





「・・・それを食わせるのが、戦いだ・・・!!」





ダイゴの背筋は凍りついた。 低く、殺気のこもった男性の声が耳元でしたのだ、その場でダイゴは硬直した。

突如、ダイゴの足元の大地が割れてそこから2匹のポケモンと一人のトレーナーの姿が現れる。

「ニドキング!ニドクイン! そこの男とポケモンごと地面に引きずり込め!!」

胸に輝く「R]の字。 黒いスーツに身を包み、「地」のポケモンで戦う男・・・・・・。

ニドキングとニドクインの不意打ちにダイゴはなすすべも無くそのまま、メタグロスの変わりに出したいたメタングと一緒に地面に引きずり込まれた。



「サカキ・・・!!」



ワタルはプテラに方向転換を命じるとサカキに向い始める。

「・・・ワタルか・・・。 同郷のよしみで見逃してやる・・・。 さっさと失せろ。」

地中から、ニドキングとニドクインが戻ってくる、サカキはまたその2匹とともに地中にもぐろうとする。

「逃がすか!!」

ワタルのプテラは口から“
はかいこうせん”を放った。 

放たれた閃光はサカキ目掛けてまっすぐ進む。 しかし、直撃寸前でボスゴドラをボールから出したサカキは

ボスゴドラに“
てっぺき”を命じてに難を逃れた。

「なっ・・・!」

サカキは下を向きながらワタルを鼻で笑った。

「一つだけ教えておいてやる・・・。 すでに術中にはまったお前達に一寸の勝算も無いとな・・・。」

サカキはそういい残すと、ニドキングとニドクインと共に地中にもぐって消えてしまった。



(術中にはまっているだと・・・。一体何が起きる!?)



とにかく、ワタルはまたバトルタワーへ進路をとるとバトルタワーに向かい始めた。














 一方、先陣を切っていったカゲツはバトルタワー裏口まであと100メートルの距離にいた。

「こ・・・コイツは、なんだぁ・・・・・・?」

カゲツの表情は完全に恐怖の表情だ。

目の前にいる一匹の巨大ポケモン、それはバンギラスだった。 しかし、カゲツの知る限りこれほど大きなバンギラスは存在してはいない。

全身から何か不気味なオーラのようなものを放ちながら、口の辺りでエネルギーを収束させるこの姿はまるで破壊神のようだ。

カゲツも、カゲツのアブソルも完全にその迫力と凶悪さに畏怖してしまい闘争心を失った。 今、カゲツが感じているのは恐怖のみである。

身体は震えだし、口を閉じることができない。 冷や汗で全身がぐっしょりだ。

「こいつぁ・・・グラードンとかの比じゃねぇ・・・。」

今、目の前にいるのはかつてグラードンやカイオーガから感じた、生命の危機からの恐怖ではなく、

破壊と殺戮、狂気の存在から伝わる目前の異常からの恐怖である。

「自然が本当にコレを望んだのか・・・? 考えられねぇ・・・。」

「こいつは、ギランっていうんだ。 ジョウトのシロガネ山ってとこの主だったんだけど、オレの手持ちになってもらったんだ。」

気配もさせずに、カゲツの背後を取る男性が一人。

黒いスーツ、胸に輝く「R」の字、そして黒い髪、・・・黒い瞳。



「ちゃんと自然が生んだポケモンだ、実験生物とかじゃない。」



明るく、はきはきとした声で話す感じのよい男性だ。

その声は周りの雰囲気を明るくさせる。 しかしカゲツは背後を取られうかつに動くこともしゃべることも許されない。

そこへ、ハガネールと共にシバが現れた。 シバはカゲツの背後を取っている人物の後姿から“ある人物”の名前が思い浮かび、その名を呼んでみる。


「レ、レッドか!?」


すると、黒いスーツの男性は左腕を横に突き出すとその手に握られていたボールを地面に落とす。

 そのボールから一匹のポケモン、くらやみポケモン ヤミラミが出てきた。

大きさは普通くらいで50センチメートルくらいだ。 ヤミラミはシバに対して戦闘態勢をとる。


「レッドか・・・・・・。 そいつはもうこの世にいないぜ・・・・・・。」


先ほどの声の調子で話しているが、あたりの雰囲気が明らか重苦しく、暗くなっている。


「変わりにオレ、ブラックがいるけどな!!」


その男性は、一気に振り向くとヤミラミと共にシバのほうに身体を向けて飛び掛る。

「・・・!? レッド!?」

シバの眼には、瞳は黒いが、レッドとしか思えない男性が自分にむかって攻撃を仕掛けてくるようにしかみえなかった。

「ヤミラミ、“
シャドーボール”!!」

ヤミラミは手から、闇を凝縮したような球を一瞬で生成するとそれを思い切り投げつけた。

球は、シバとシバのハガネールを捉えるとシバとハガネールに衝撃と霊たちによる精神攻撃を受ける。

「ぐっ・・・!!」

不意打ちされたシバはその場にうずくまり反撃に転じれない。

「いきがるなよォ・・・小僧ォ!! アブソル、“
いわなだれ”!!」

カゲツのアブソルは付近の建築物を破壊して岩の雪崩を引き起こす。

崩れて流れ落ちてくる建築物の破片がブラックとヤミラミを狙う。





「戦いの基本は、現状把握だ。 この場を冷静に判断できなかったお前の負けだ。」





非常に低く、冷たい声でブラックはぼそりと呟いた。

ブラックはボールからヤミカラスをだすと上空へ避難する。

アブソルの放った“
いわなだれ”は、未だうずくまるシバの元へ向かった。

「チィッ!!」

カゲツはシバを助けるため、アブソルにまたがった状態で“
いわなだれ”の中を駆け抜ける。




「人間の心理、仲間意識、情・・・。 これらを手玉に取っていたとしたら・・・それさえも計算済みだとしたら・・・。」




レッドはヤミカラスにつかまった状態でヤミラミをボールへしまうと、別のボールから今度はニューラーを出した。

「ニューラー、足止めをするんだ“
れいとうビーム”!!」

レッドのニューラーはレッドの元からジャンプして飛び降りると、上空からカゲツとアブソルを狙う。

ニューラーの爪先から青白い色をした光線が放たれる、カゲツとアブソルは、その攻撃に気付けなかった。

いわなだれ”のによって引き起こされた落石の回避に全神経を研ぎ澄ませており、かつシバの救援に気をとられていた・・・。

ニューラーの攻撃は見事にアブソルとカゲツを捉えた。 みるみるうちに、カゲツとアブソルは氷付けになっていく。

「しまっ・・・!」

氷付けとなったカゲツとアブソルは動くこともできない、そこへ降り注ぐのは容赦ない落石。

カゲツとシバは落石の下敷きとなってしまった・・・・・・。



「まさか、この状況下で“
いわなだれ”を命じる時点で大きな間違いだったな・・・。」



ブラックはヤミカラスに下降を命じると、落石の上に立った。






「これで後、9人くらいかな・・・。」











「・・・・・・この気配、サカキ!!」

クロバットに掴まって低空を飛行しながらバトルタワーを目指していたキョウは、地中から感じ取れる異様な存在感の正体をサカキと推測した。

「イツキ!カリン!先にいけ!!」

キョウの声を聞いた2人は頷くと、バトルタワーへ向かった。 キョウは、その場で動きを止めてボール手裏剣を手にする。

突如、キョウの背後ですさまじい轟音と共に、地面が隆起する。



(・・・あれは偽装、本体は・・・・・・。)



「そこだ!! クロバット、“
ヘドロばくだん”!!」

クロバットの口から、圧縮された毒液と毒物が放たれるとその落下点はジューっと音を立て気化し始めた。

「流石だ、キョウ・・・。 元オレの部下のことだけはある・・・。」

サカキの声は先ほど、偽装と思ったほうのから聞こえる。 キョウは振り向くとそこのはサカキが立っていた。

「フェイントのフェイントは元に戻るだ。 覚えておけ。」

おもむろにサカキはボールを出すと、そのボールからサイドンを呼び出す。

さらに、キョウに対して人差し指で“かかってこい”と挑発する。 その表情には余裕がある。

表情から察するに明らかに罠があると読んだキョウは、クロバットに攻撃を命じる。

「クロバット、“
ヘドロばくだん”!!」

クロバットはサイドン目掛けて、先ほど同じ物質を放ちながらサカキから距離をとる。

「サイドン、“
じわれ”!!」

サイドンは地面を力強く踏みつけると、辺りの大地に地割れが発生し足場をなくしていく。

しかし、空中にいるキョウには関係の無いことである。 そのまま距離をとりながら“
ヘドロばくだん”で攻撃を続ける。

攻撃を回避するためなのか、サカキはサイドンと共に地中にもぐった。 

もぐってから1分もしないうちに当たりは静まりかえった。



(成程・・・、大地を砕いて移動しやすくしたうえに、地中からの不意打ちも可能・・・。 うかつな動き一つとれんな・・・)



いつのまにかキョウは、砕かれた大地の中心地点の上空を飛んでいて見事にサカキの術中にはまっていた。



(この戦闘区域からクロバットで離脱するのには早くて10秒・・・、しかし此処で逃がしてくれるほどサカキは甘くない・・・。)



キョウは、空のボール手裏剣を試しにこの戦闘区域から飛ばして出してみる、すると、地中からニドクインが現れてボール手裏剣を握りつぶした。

握りつぶすと、ニドクインはまた地中にもぐっていく・・・。

「ククク、流石は元主。 しかし、やられるわけにはいかん!!」

キョウはまたボール手裏剣を投げる、するとまたそのボールにニドクインが飛びかかり、握りつぶした。



「かかったな!! ベトベトン、“
ヘドロこうげき”!!」



握りつぶされたボールから、紫色の液体がドロリとあふれ出しそのままニドクインに覆いかぶさると毒液でニドクインを攻撃し始める。

「どうせこんなことだろうと大方予測はしていたが・・・ククク、他愛も無い。」

しかし、そのままの状態でニドクインは紫色の液体 ベトベトンを地中に引きずり込むとベトベトンはあがってこなかった。

キョウはチッと舌打ちすると、今度はボールからモルフォンを出した。

「ククク、ならば地中から出てきてもらおう・・・。 モルフォン、この一帯に“
どくのこな”を散布しろ!!」

地割れの大地に毒粉が散布されていく、散布された粉は地割れの部分から地中に浸透しはじまた。

これでは地中にもぐっていることは難しくなる。 予想どうり、モルフォンに飛び掛るニドクイン。

「愚かな、“
サイケこうせん”!!」

モルフォンから放たれた、紫色の光線はニドクインを捉えるとニドクインを一撃で戦闘不能にした。







「愚かはお前だったなキョウ・・・。 お前はもう一匹の逆鱗に触れたんだ・・・。」







地中からサカキの声がしたと思うと、怒り狂ったニドキングが現れモルフォンに爪で一撃すると、モルフォンはその場に力尽きた。


「そいつが“
あばれる”と手がつけられんぞ・・・。」


ニドキングの怒りの矛先はキョウに向けられた。 ニドキングはキョウに突撃していく・・・。




「“
はかいこうせん”!!」



「“
かえんほうしゃ”!!」




上空から、2匹の翼竜による強烈な攻撃によってニドキングはその場に倒れた。

「フン、ホウエンの四天王とワタルか・・・。 言葉も理解できないほど、落ちぶれたか・・・。 まぁいい、邪魔をするならついでに潰すまでだ。」

そこに現れた2人もトレーナー、ワタルとゲンジであった。 プテラとボーマンダにのってサカキを睨みつける。

「バトルタワーに行き前にケリをつけていくのも悪くは無い・・・。」

「ワシも協力しよう・・・。」

そこへ地中からボスゴドラと共に、ダイゴが現れる。 しかし、全身ズタボロで、スーツもビリビリに破けケガを負っているのか血がにじんでいる。

「・・・、ぼくも・・・協力しましょ・・・う・・・。」

サカキの前には4人の兵が立ちはだかった。 しかしサカキの表情は余裕の笑みを浮かべている。






「フン、残念ながら・・・タイムアップだ。」












 一方、ブラックはプリムとフヨウと戦闘中だった。

しかし、ブラック率いる「悪」タイプのポケモンたちにフヨウの「霊」タイプはなすすべも無くやられていく。

プリムの「氷」ポケモンも、ニューラーやヤミラミといった小型で俊敏なポケモンたちによって撹乱されて旨く攻撃ができなかった。


「ダイゴくんが来る前にやられちゃう・・・。」

「こうも攻撃があたらないと・・・。」


完全にブラックに手玉に取られ、精神的にも追い詰められてきた。

「ニューラー、ヤミラミ、“
おいうち”!!」

プリムのトドクラー、フヨウのジュペッタは文字どうり追い討ちを受けてしまい、戦闘不能になってしまった。

その二匹が倒れることが意味するのは、プリムとフヨウの手持ちポケモンがラスト1匹になることを意味した。





((この男、強すぎる・・・。 まるでポケモンが機械の様な正確さで攻撃してくる・・・!))





「オニゴーリ!!」

「サマヨール!!」

2人の最後のポケモンが呼び出された。 ブラックは冷たい笑みを浮かべながらジリジリ距離をつめる。

その行動から、そしてブラック自身のプレッシャーが2人を追い詰める。 そのプレッシャーは2人だけでなく、2人のポケモンも畏怖させた。

そこに一人の四天王が駆けつけた





「ジュゴン、“
オーロラビーム”!!」





ジュゴンから放たれたオーロラのような色合いをした光線はブラックのヤミラミとニューラーを氷付けにした。

光線の放たれた方向には1人の眼鏡をかけた長髪の女性が立っていた。 「氷」のカンナである。

カンナはジュゴンと共に一気に距離をつめると、2人の四天王が苦戦していた相手、すなわちブラックの姿を見ると驚愕した。

「レッド・・・!? 何故アナタが・・・!?」

「カンナ、悪いけどレッドはもうこの世にいない・・・。 いるのはオレ、ブラックだ。」

薄ら笑いを浮かべながら、ブラックは片手にボールを一つ持つ。



「ギラン以上の、オレとっておきの切り札・・・。 そして、・・・これは話さないでおこう。 

行くか、ミ「ハガネール、“
ロケットずつき”!!」



ブラックの足元からハガネールが頭からものすごい勢いで飛び出てきた。





ブラックはかろうじてそれを回避すると、ハガネールの出てきた穴から這い上がってくる男に眼を向けた。

「レッド・・・、いやブラック・・・。 オレはお前を敵と見なす。 お前はもう私が知っている人間ではない・・・。」

シバの細い眼が徐々に開かれていく・・・。 

「カンナ、こいつとは一騎打ちで決着をつけたい。 だからお前は2人と後から来るやつらを連れてあの巨大なバンギラスを。」

「わかったわ・・・。」

カンナは頷くと、プリムとフヨウと共にギランの元へ向かう。

それを見送ると、シバはハガネールの頭部に立つとボールヌンチャクを振り回し始める。







「四天王 シバ いざ参る。 ウーーーーハーーーーッ!!」






ハガネールはシバを頭にのせたままブラックに再度“
ロケットずつき”を仕掛けるため、身体を螺旋状にすると、勢いよく頭から突っ込む。

シバはハガネールが突っ込んでいく状態中に振り回していたボールヌンチャクからカイリキーを呼び出した。

「カイリキー、その男を捕らえろ!!」

「非情になりきれないお前じゃ、オレには勝てないって。」

ブラックはニッコリ笑みを浮かべると、ボールからポケモンを呼び出す。 そのポケモンが場に出た瞬間、ブラックの表情は一変した。



笑みは消え去り、鋭い瞳。 まるで全てのものを切り裂くような冷たく鋭い瞳。



「“
サイコキネシス”!!」



ブラックの前に耳の長いポケモンが立ちはだかり、シバとカイリキー、そしてハガネールの動きを念で制動する。

カイリキーは空中で静止し、ハガネールとシバもその場に静止した。 あまりにも強力な念による制動で、身動きも喋ることもできない。

「そのまま、地面に叩き付けるんだ!!」

耳の長いポケモンが両腕を上げてから、勢いよく下にさげるとシバとシバのポケモンたちは地面に大きく叩きつけられた。



「スプーン、フォーク、 こいつの超技にはあと一つバリエーションがあるんだ・・・。」



耳の長いポケモンは腕を上げると、手の部分辺りが光はじめ光が物体を生成する。

その物体は長い棒状になったかと思うと、こんどは先端部から棒の中間地点までが薄い板状になる。

さらに、板状の部分は先が尖りだしたかと思うといつの間にか、なまった三角形になる。


「・・・・・・ナイフ。」


ブラックがぼそりと呟くと、耳の長いポケモンはそのナイフを持って構えた。

シバはナイフ生成中に何とか立ち上がり、カイリキーをボールにもどすと、またボールヌンチャクを振り回し始める。



(親友よ・・・お前の力を借りるぞ・・・!!)



ブラックはニッと不敵な笑みを浮かべると、耳の長いポケモンと共にシバに向かって走り出した。

「ミュウツー、そのままきりさけ!!」

ミュウツーは大きくナイフを振りかぶった。 強振されたナイフはシバを切り裂こうと襲い掛かる。




「柔の奥義!!サワムラー、両手両足でナイフを封じろ!!」




シバのボールヌンチャクからサワムラーが飛び出ると、サワムラーはその伸縮自在の腕と脚でミュウツーのナイフに絡みついた。

さらに、手と足で地面を掴むと腕と脚が伸びてナイフへの力を無効化する。

「刃物ってのは、引いて切るもんだぜ・・・。」

「ウハハハハ、その隙があったらな!! ハガネール、“
すてみタックル”!!」

気絶していたと思われていたハガネールが突如目を開き、ミュウツーに対して猛烈な勢いで突っ込んで行く!



「“柔”ってのは、技を返して初めて反撃に転ずる・・・。 だけど、そこが盲点なんだ・・・。」



ブラックは、右腕を上げる。 すると、ミュウツーとブラックの視線が交わる。

「ミュウツー、“
サイコキネシス”!!」

ミュウツーは“
サイコキネシス”でナイフに絡み付いていたサワムラーを無理矢理引っぺがすと、サワムラーをハガネールに向けて飛ばした。

「今だ!!そのまま切り裂け!!」




サワムラーがハガネールの頭部に激突した瞬間、ミュウツーはハガネールの鋼の身体を一刀両断した。




「なっ・・・・・・!!」

シバは驚きのあまり動きを止めていた。 そこへ、

「“
サイコキネシス”!!」

ブラックの声と共にミュウツーの“
サイコキネシス”がシバに向けて放たれた。 

強力な念の力によって、シバは立つ力を徐々に失い、地面に屈するとそのまま気を失った。

「さてと・・・。」


ブラックはミュウツーをボールに戻すと、ギランの元へ向かうのであった。













 「あの灰色のカメックス・・・・・・。 強すぎる・・・。」

カンナはそういい残すと、その場に倒れこんだ。

ギランの前では2人の女性のトレーナーが、3人の女性のトレーナーを相手にしていた。 いや、正確には遊んでいた。

3人の女性たちとは言うまでも無くカンナたちである。 3人とも、完膚なきまでに叩き潰された・・・。

「フェフェフェ・・・、さて、粛清の閃光でも放たせてもらうかね・・・。」

1人の老婆が、怪しげな笑みを浮かべながら何かの機械のスイッチを入れる。

その機械は動き出すと、さまざまな電子音を発しながらいろいろな処理をしていく。





「遅れてゴメン。」





右手で後頭部を掻きながらミュウツーと共にブラックが現れた。

「フェフェフェ、別にきにしちゃいないよ・・・。そんなことより早速だが、ミュウツーにコレをつけな・・・」

老婆が機械のまた別のスイッチを押すと、なにやら拘束具のようなものが現れる。

それを、ミュウツーの両手両足と頭部に装着すると、また別のスイッチを押す。

「フェフェフェ・・・、さぁやるんだよブラック!! 今のアンタならできる!!」




ブラックは目を閉じると静かに深呼吸をする・・・。




そして、その瞳を開けると右腕を上げてミュウツーに命じる。

「ミュウツー、オレたちの敵をギランの射線上に集結させるんだ“
サイコキネシス”!!」

ミュウツーが念を放とうとすると、機械も同調し念を増幅させ。より強大な“
サイコキネシス”を放たせた!

引きおこされた超念動により、バトルタワーに向かっていた四天王たちやその他の民間抵抗者などがギランの“
はかいこうせん”の射線上に集結させられる。





(チッ・・・流石にバトルタワー内は無理か・・・。 まぁ、あとで私たち直々に始末してやろうかね・・・フェフェフェ)













「サカキ、スオウ島でもケリをつける!! プテラ、“
はかいこうせん”!!」

「ボーマンダ、“
かえんほうしゃ”!!」

「ボスゴドラ、・・・“
かみなり”」

ワタル、ゲンジ、ダイゴの三人はサカキに攻撃に仕掛けるようにポケモンたちに命じる。

「ッチ!!」

地中からサイドンが現れると、サカキを地中に身を隠し難を逃れた。

その瞬間である。






「「「なっ・・・!!」」」






ワタルたちとそのポケモンたちは身体の自由を奪われた。 そしてそのまま一箇所に集められる。



「な・・んだ・・・こ・・れ・・・。」



ワタルが何とか口を動かして発声する。 その質問に答えたのはサカキであった。

「我が組織の増幅器によって増幅された、ミュウツーの“
サイコキネシス”だ。」

サカキが話している間にも、イツキ、カリン、氷付けにされたカゲツ、シバと2つに分けられたハガネール・・・と四天王たちが集結し始めた。

「・・・悪いがな、お前達の動きはとっくに察知済みだ。 後は、タワー内のやつらを倒したら、ロケット団は全てを掌握できる。」

その話の最中にも、カンナとフヨウとプリムが空を飛んできた。 この一箇所に四天王たち全員が集められた。






「死なないことを祈るんだな・・・。」






そういい残すと、サカキは歩いてバトルタワーに向かいだした。 そこへ、バトルタワーから一筋の閃光が四天王たちに向けてはしった。

直撃すると、そこに大きな爆音と共に衝撃波が起こる。 それを背にしてバトルタワーに歩み続けるサカキ。

閃光の果てに、あるのは倒れこむ四天王たちの姿。  そして、その後も確認せず歩み続ける。





「四天王ごときが・・・我が組織楯突くこと自体が大きな間違いだったな・・・。」








 第14話へ・・・